比較・意思決定
(初出: 2026/5/19)・ 約4分で読めます
明るいリビングとキッチンを描いた一般的な住空間のイラスト
住まいの改修ガイド

中古住宅を買ってリフォームする流れ|購入前の調査・費用・ローン

工事内容に合う補助制度を確認しましょう

住宅・工事・製品の要件や他制度との併用可否は制度ごとに異なります。
申請時期や工事前写真などの要件は制度ごとに異なります。契約前に対象製品・手続きの順序を確認してください。

お住まいの地域と工事内容から対象となる可能性のある制度を確認できます。

中古住宅を買ってリフォームするなら、物件探し・工事の相談・資金計画を購入前から並行して進めると、予算と入居時期を合わせやすくなります。購入してから初めて施工会社へ相談すると、希望する間取りにできない、工事費が想定を超える、融資の支払時期が合わない、といった問題に気付きにくくなります。

先に決めたいのは、物件価格だけの上限ではなく、購入・改修・諸費用・入居までを含む総予算です。すでに購入を済ませた人も、工事契約の前に「残す部分」「先に直す部分」「後でよい部分」を整理すれば、無理のない順序を作れます。

この記事は、未改修の中古住宅を購入して自分で工事を依頼する人向けです。リフォーム済み物件を買う場合とは、調査・見積もり・資金の流れを分けて考えましょう。

最初に、住みたい条件と総予算を一緒に決める

希望のエリアや広さだけでなく、工事で実現したいことを不動産会社へ伝えます。「購入後に壁を取り払って広いリビングにする」「浴室を広くする」など、物件を選ぶ前提となる希望は、購入前に施工会社へ確認する必要があります。

物件探しの前に決める項目 書き方の例
変えられない条件 通学・通勤圏、階数、駐車、日当たり
工事で解決したいこと 浴室の寒さ、収納不足、家事動線
必須の工事 故障している給湯器、確認された漏水箇所など
予算内なら行う工事 内装の好み、造作収納、設備の上位仕様
今回しないこと まだ使用できる設備、使わない部屋の内装
時間の条件 現住居の退去期限、入学・転勤、工事中の居場所

中古住宅の価格が低くても、必要な改修を足した総額が小さくなるとは限りません。逆に、少し高い物件でも、必要な工事が限定的なら予算に収まる可能性があります。物件価格と改修費の両方が見えるまで、安い・高いを決めつけないことが重要です。

購入前の調査で「したい工事ができるか」を確かめる

不動産ジャパンの購入・リフォームの流れも参考に、物件選びと改修計画を切り離さず進めましょう。内覧時には、可能であれば仲介会社を通じて施工会社の同行や追加調査を相談します。売主の承諾なく壁・床を開けたり、設備を操作したりしないでください。

建物の状態と、希望する変更は別々に確認

確認する対象 相談する内容 書類や現地で見たいもの
雨漏り・漏水 過去の発生箇所、原因、補修内容、再発の有無 告知内容、修理記録、天井・床下等の状態
構造・間取り 撤去できる壁、残す柱、増改築の履歴 図面、確認関係書類、現状との相違
配管・電気 更新範囲、機器を移す経路、必要な電気容量 設備の年式、点検・交換履歴
屋根・外壁 内装以外に必要な補修がないか 過去の工事時期、点検写真、保証内容
マンション 共用・専有の区分、床材、工事日程の制限 管理規約、工事細則、長期修繕計画
将来の維持費 今回残す部分をいつ見直すか 建物全体と住戸内の修繕予定

既存住宅状況調査などの建物調査は、調査範囲と方法、立ち入れない場所を確認して利用します。国土交通省の案内が説明するように、調査で隠れた不具合のすべてが分かるわけではありません。耐震性の詳しい評価や配管内部の調査等は、基本調査に含むかを別途確認してください。

「調査で問題なし」という一言ではなく、確認した場所、確認できなかった場所、追加調査を勧められた場所を報告書で読むと、改修予算に必要な余裕を判断しやすくなります。

予算は、購入代金と工事費以外も足して考える

次の表は編集部が作成した資金計画の記入例です。実際の施工例・融資可能額・全国の平均費用ではありません。金額は支払予定額として置き、税がかかる費目は税込額でそろえる想定です。

費目 記入例 自分の計画で確認すること
中古住宅の購入代金 2,000万円 売買契約の代金
リフォーム工事 600万円 調査後の仕様・工事範囲を含む税込見積もり
購入・融資等の諸費用 200万円 仲介、登記、融資、保険、税などの個別見積もり
引っ越し・当面の住居等 50万円 家賃の重複、荷物保管、引っ越し等
未確定工事等への予備枠 150万円 追加工事の可能性と資金の余裕
合計 3,000万円 2,000+600+200+50+150

諸費用200万円や予備枠150万円は、おすすめの定率ではありません。物件・契約・借入商品・調査結果によって組み替えるための例です。家具や家電を買う場合、マンションの管理費等、入居後の生活費まで使い切らないことも確認します。

工事が600万円から750万円へ増えたら、まず何の工事が追加されたのかを確認します。予備枠で払えるからと即決せず、必要性、部分施工の可否、将来に回せるもの、追加費用の承認手順を施工会社と整理しましょう。

改修費は築年だけで決めない

築年が同じでも、最近設備を交換した家と、雨漏りや配管の補修を要する家では工事範囲が異なります。設備だけの交換、内装を含む改修、間取りを変える全面改修を別案で出してもらうと比較できます。

参考として、近鉄不動産のマンション向け公式プランには、2026年5月価格で70㎡・847万円(税込)の一室の間取り変更等を含むプランと、70㎡・1,463万円(税込)のスケルトンプランが掲載されています。これは同社の所定仕様の価格で、戸建てにも適用できる相場ではありません。面積が同じでも、配管更新や間取り変更の範囲で必要な予算が変わる例として確認してください。

中古住宅購入とリフォームの総予算を、物件代金、改修工事、付随費用と入居準備、未確定工事への備えに分ける図。

図解:概念図。本文の資金計画を費目別に整理。金額・割合の推奨や融資可能額を示す図ではなく、実際の見積もりで組み替えます。 実際の施工例・製品写真ではありません。

住宅ローンとリフォーム費用は、金利と支払日を両方比較

購入費と改修費をまとめて借りる方法、購入と工事の借入れを分ける方法、改修費を自己資金で払う方法があります。どれが使えるか、費用が小さくなるかは、金融機関・商品・物件・借入条件によって変わります。

比べる項目 購入と改修をまとめて借りる場合 改修費を別に用意する場合
準備する資料 購入前から工事見積もり等が必要になる場合がある 工事の借入れには別の審査・資料等を確認
返済計画 工事費を含めた借入総額で検討 住宅と工事の返済を合算して検討
諸費用 融資事務費、保証、登記等の条件を確認 別契約で追加となる費用を確認
支払時期 工事代金の分割払いにも対応できるか確認 自己資金・別融資をいつ使えるか確認
工事変更 増額・減額・工期変更時の扱いを確認 追加の借入れができると決めつけない

金利の数字だけでは、総返済額は比べられません。同じ借入額・返済期間で試算し、手数料等を含めた負担を確認します。長い期間に延ばして毎月の返済額が小さくなっても、総支払額まで小さくなるとは限りません。

「融資が決まった日」と「お金を受け取る日」は別

住宅金融支援機構の【フラット35】リノベ・リフォーム一体タイプは、工事完了後の適合証明検査等を経て資金を受け取る仕組みです。購入代金の決済や工事費の分割払いに先にお金が必要なら、つなぎ融資の要否を取扱金融機関に相談します。工事後に技術基準へ適合しない場合には、この商品の資金を受け取れない旨も案内されています。

これは特定商品の例で、すべての一体型ローンが同じ手続きとは限りません。利用する商品について、次の4点を日付入りで確認しましょう。

  1. 購入代金の決済日はいつか。
  2. 工事の契約金・中間金・残金は、それぞれいつ必要か。
  3. 融資を受け取れる日はいつか。分割実行やつなぎ融資は利用できるか。
  4. 工事内容や完成日が変わったら、誰へいつ連絡するか。
中古住宅購入と改修で必要になる決済日、工事の分割支払日、融資実行日、計画変更時の対応を照合する図。

図解:概念図。支払いと入金の照合項目で、固定の工程図ではありません。金融機関・商品・売買条件で異なり、すべての一体型ローンが同じ手続きとは限りません。 実際の施工例・製品写真ではありません。

購入から入居までの流れ

1
物件・工事・
資金を同時相談
→
2
調査と見積もりで
総額を確認
→
3
契約・決済と
支払日を調整
→
4
工事・検査を経て
入居する

図は検討の流れです。実際の契約・融資・工事の順序は、売買条件や利用商品に合わせて調整します。工事請負契約を結ぶ前に、住宅を取得できなかった場合の扱いも確認してください。

段階 次へ進む前に確認すること
候補物件の内覧 希望する工事の可否、売主が認める調査範囲
調査・概算 必須工事と希望工事、未確定部分、総予算
売買・工事・融資の契約 それぞれの条件、解除等の扱い、支払日、入居予定
物件の引き渡し 鍵、設備の状態、契約時と変わった点、必要書類
工事 解体後の追加確認、変更前の見積もりと承認、写真記録
完成・入居 動作確認、手直し、保証書、図面、工事写真、連絡先

工事期間だけで引っ越し日を決めないことが重要です。設計、設備の納期、マンションの申請、必要な確認手続き、完成後の手直しも含め、施工会社と工程表を作ります。

入居前と住み始めてから、どちらで工事する?

進め方 向いている工事・状況 注意点
入居前にまとめて行う 複数の水回り、広い範囲の床・壁、配管や間取りの変更 家賃等の重複、完成遅延時の住居、工事前に決める項目が多い
入居後に段階的に行う 生活に支障が少ない一部の内装や収納、使用感を見て決めたい箇所 養生・片付けの繰り返し、騒音、生活動線、工事の重複

漏水など放置すると傷みが広がる不具合や、生活に不可欠な設備の故障は、入居時期にかかわらず対応を相談します。模様替えや収納の細かな仕様は、住んでから判断できる場合があります。

別々に工事すると二重になる作業もあるため、「今しない工事のために床や壁をもう一度開ける必要があるか」を聞きましょう。予算と生活の負担を両方見て順番を決められます。

よくある質問

物件をまだ買っていなくても、リフォーム会社に相談できますか?

購入前相談に対応する会社へ、候補物件の図面、希望する工事、総予算を伝えて相談できます。ただし、現地調査には所有者側の調整が必要です。資料だけの概算と、調査後の見積もりを分けて受け取りましょう。

中古住宅なら希望の間取りに変えられますか?

構造上必要な壁や柱、配管、マンションの規約等に制約があります。売買契約の判断をする前に、絶対に実現したい変更を施工会社に確認してください。

補助金や減税分を購入予算に入れてよいですか?

制度ごとに住宅・工事・申請者・時期等の条件があります。購入だけで使える制度と、改修を行う人が使う制度も同じではありません。工事や契約の前に利用可否と手続きを確認し、未確定の金額を確実に受け取れるものとして資金計画から引かないでください。

購入後に予想外の補修が分かったら?

写真・場所・状態を記録し、売買の窓口と工事の窓口に連絡します。契約上の扱い、保証・保険の対象、補修の必要性を確認してから進めます。緊急の安全確保が必要な場合は、その対応を優先し、記録を残してください。

会社選びでは、何を比べればよいですか?

希望する住宅種別と工事の経験、購入前調査への対応、必要な専門家との連携、見積もりの範囲、変更時の手順を比較します。リフォーム会社の選び方も参考に、同じ要望と資料を渡して相談しましょう。

工事内容に合う補助制度を確認しましょう

住宅・工事・製品の要件や他制度との併用可否は制度ごとに異なります。契約前に対象製品・手続きの順序を確認してください。

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━━ この記事の監修体制 ━━

リフォーム補助金ナビ編集部

編集部の保有資格

ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)宅地建物取引士

国土交通省・各自治体の公式発表に基づき、補助金情報を毎日更新しています。
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