2026年度に認定される住宅用太陽光発電のFIT買取価格は、10kW未満で最初の4年間が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。 10年間ずっと同じ単価ではありません。2025年度下半期から始まった初期投資支援の仕組みが、2026年度にも適用されます。
すでにFITで売電している方は、新年度になるたびにこの単価へ切り替わるわけではありません。自宅の認定内容、買取開始日、契約条件を確認します。10年間の買取期間を終えた卒FITの契約も、2026年度の新規FITとは別です。
以前この記事にあった2026年は15〜16円という記述を訂正し、2026年9月25日に確認した公式発表に沿って説明を更新しました。売電収入と買電の削減を分け、屋根の条件や設備費も含めて導入を判断できるよう整理します。
2026年度の売電価格と買取期間
| 対象 | 買取開始からの期間 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2026年度認定の住宅用太陽光・10kW未満 | 1〜4年目 | 24円/kWh |
| 同じ設備 | 5〜10年目 | 8.3円/kWh |
| 同じ設備の買取期間終了後 | 11年目以降 | 買取事業者と結ぶ卒FIT契約による |
出典:経済産業省・2026年度以降の買取価格等の決定(2026年3月19日)。この記事の単価表は住宅用10kW未満を対象としています。10kW以上の事業用や、FIP制度の条件とは区別してください。
最初の4年だけを10年間の収入に使わない
初期投資支援では、前半に高い単価を設定し、後半の単価を下げる形になっています。見積もりの収支表が24円の売電を10年間続ける計算になっていないか確認しましょう。
仮に毎年2,500kWhを売電し、毎年の売電量が変わらない条件なら、売電収入は最初の4年が年6万円、次の6年が年2万750円。10年間の合計は36万4,500円です。24円を10年間掛けた60万円とは異なります。発電量の変化や機器の停止などを含めていない、計算方法を示す仮例です。

図の3点は、見積もりの収支表を読む順番でもあります。何年に認定される設備か、10kW未満か、売電開始から何年目を計算しているかを先にそろえます。
売電価格の推移は、制度の変更も一緒に読む
過去の住宅用FITでは、認定時期に応じた単価が買取期間中に適用される仕組みが基本でした。2025年度下半期からは、前半と後半で単価を分ける初期投資支援が始まっています。そのため、単に昔の単価と2026年の24円だけを並べても、10年間の売電収入の比較にはなりません。
また、2009年に始まった太陽光の余剰電力買取制度と、2012年に始まった再生可能エネルギーのFIT制度は区別して扱います。自宅の設備について知りたい場合は、一般的な年表より、認定通知や電力会社の買取案内を確認する方が確実です。
| 自宅の状況 | 見る書類・確認先 |
|---|---|
| これから新しく設置する | 認定予定年度、設備区分、接続・認定手続き、施工会社の収支計算条件 |
| 現在FITで売電中 | 認定通知、買取契約、開始日と満了予定日 |
| 買取期間が終わる | 現在の買取会社の満了案内、継続プラン、変更手続きの期限 |
太陽光のメリットは売電だけで決まらない
太陽光で発電した電気は、自宅で使う分と余って売る分に分かれます。同じ電気を、電気代削減と売電収入の両方へ数えないことが大切です。

考え方は、家で使った分の買電削減額と、売った分の収入を足し、点検・修理等の費用を差し引く形です。初期費用の比較では、機器代だけでなく設置工事と申請費用も含めます。
仮例:年間4,000kWh発電し、1,500kWhを自宅で使う場合
以下は説明用の仮定です。地域、屋根、家族構成、契約電気料金の代表値ではありません。
- 年間発電量:4,000kWh
- 自宅で使う量:1,500kWh
- 売る量:2,500kWh
- 自家消費によって減らせる買電の単価:31円/kWhと仮定
- 年間発電量と使用量は一定、蓄電池なしと仮定
| 計算する項目 | 1〜4年目 | 5〜10年目 |
|---|---|---|
| 買電削減の仮計算 | 1,500×31=46,500円/年 | 同条件で46,500円/年 |
| 売電収入の仮計算 | 2,500×24=60,000円/年 | 2,500×8.3=20,750円/年 |
| 合計・維持費控除前 | 106,500円/年 | 67,250円/年 |
この仮定では10年合計のメリットは82万9,500円ですが、ここから点検、修理、交換等の費用を考える必要があります。初期費用や借入利息も含めて判断するため、この金額だけで元が取れるとは言えません。
実際に減る買電単価は料金プラン、使う時間、燃料費調整等で変わります。基本料金など、使用電力量を減らしても同じだけ減らない費用を一緒に数えないでください。
蓄電池を付ける効果は、太陽光だけとの差額で見る
蓄電池があれば、昼の余剰電力を夜へ移せます。ただし、充放電の損失があり、売るはずだった電気を蓄えるなら、その売電収入は減ります。
例えば、1kWhの余剰電力を蓄え、損失後に0.9kWh使えると仮定した場合、買電31円なら減らせる買電は27.9円です。売電24円をやめる場合の増分は3.9円、売電8.3円の場合は19.6円になります。どちらも蓄電池の購入・交換費用を引く前の仮計算です。自家消費が増えることと、蓄電池代を回収できることは別に確かめます。
商品写真で確認する、屋根とパネルの条件

写真出典:シャープ・NU-458PU。メーカー掲載の商品イメージです。
同製品の公称最大出力は458W、外形寸法は1,761×1,133×40mmです。公称最大出力は基準状態での代表値であり、自宅の屋根でいつでも458W発電する意味ではありません。メーカーの設計条件に沿って配置し、影や方位、傾斜、地域の日射条件を含めて年間発電量を見積もります。

画像出典:シャープ・住宅用太陽光発電システム。メーカーが掲載する屋根配置の参考イメージです。当サイトの施工事例ではありません。
屋根の面積だけでなく、棟や軒から必要な距離、天窓、配線、影になる部分を除いた配置を確認します。パネルを多く載せた案と少なく載せた案では、発電量と工事費がどう違うかを比べてください。設置前に屋根の補修が必要なら、その費用と今後の再設置費用も検討します。
NU-458PUで見る、売電試算の前に決めたい仕様
シャープのNU-458PU製品情報では、単結晶パネルで、公称最大出力458W、モジュール変換効率23.0%、質量22.0kgとされています。効率は光を電気へ変換する割合であり、売電率や年間の発電時間の割合ではありません。
| 確認する特徴 | この製品での判断の仕方 |
|---|---|
| 1,761×1,133mmの大きさ | 広い屋根面にまとめて配置できるか。面積だけでなく軒・棟・障害物を避けた配置図で判断 |
| 小型NU-305PUとの組み合わせ | 大判だけでは余るスペースへ小型を置く案と比較し、屋根全体の搭載容量を検討 |
| 22.0kgのパネル重量 | パネル枚数に架台などの重量も加え、屋根の状態と支持方法を確認 |
| 構成機器15年・モジュール出力25年の無償保証案内 | 機器故障と出力低下で対象が異なる。構成機器15年は指定パワコンとの組み合わせが条件 |
構成機器15年の無償保証は、蓄電池連携型パワコンJH-59TF4/JH-40TF2と組み合わせたシステムが対象と案内されています。他のパワコンを使う見積もりへそのまま当てはめず、採用構成の保証内容を比較します。出典:シャープ・NU-458PUの特長と保証条件。モジュールの出力保証も売電収入の保証ではありません。
広い屋根面なら大判を中心に考え、小さく分かれた屋根面では小型との配置比較が判断に役立ちます。ただし小型を足せば必ず採算が良くなるわけではありません。追加するパネルの年間発電量と追加工事費を見て、屋根全体の収支で決めます。 対応屋根材としてスレート、金属屋根、瓦などが案内されていますが、すべての屋根形状・下地への施工を保証する意味ではありません。
この製品の数字を全メーカーの標準値として扱わず、他の見積もりでも同じ項目を並べれば、1枚の出力が大きい製品と、自宅に多く載る製品の違いを比較できます。
導入前に見積もりで確認したい6項目
| 項目 | 依頼する具体的な説明 |
|---|---|
| 適用される売電条件 | 認定年度、10kW未満の区分、24円と8.3円の期間を記載した計算 |
| 発電量 | 屋根の各面・方位・傾斜・影・地域条件を反映した月別予測 |
| 自家消費 | 昼間の使用量をもとにした量。全国一律の率で決めない |
| 初期費用 | パネル、パワコン、架台、電気工事、屋根関連工事、申請の内訳 |
| 維持費・保証 | 製品保証、出力保証、施工の保証、それぞれの期間と対象外条件 |
| 手続き | 系統接続、事業計画認定、売電開始までの担当者と日程 |
単純な1kW当たり単価も参考になりますが、屋根の条件、配線距離、機器構成が違えば比較条件がそろいません。容量単価だけで安さを決めず、同じ工事範囲の総額で比べましょう。申請しただけで予定年度の単価が確定するとは扱わず、認定に必要な手続きと期限を確認します。
10年後の卒FITと、補助制度の考え方
FIT終了後の買取価格は、買取事業者の契約で決まります。2026年時点の価格を、これから10年後も続く価格として収支表に固定するのは避けましょう。売電を続ける、昼間の利用を増やす、蓄電池や対応EVを活用するなど、満了が近づいた時点で設備の状態と生活に合わせて比較します。詳しくは卒FIT後の蓄電池の判断ガイドで説明しています。
補助制度については、太陽光本体、蓄電池、その他の省エネ工事で対象が違います。利用可否が決まる前から補助金を差し引いた費用だけを提示してもらうのではなく、補助金なしの総額と、条件を満たした場合の負担額を分けることが重要です。補助金診断は候補制度を探す入口として使い、対象機器、契約・着工の順序、併用、受付状況は各制度の公式案内で確認してください。
よくある質問
2026年から、すでに設置した人も24円になりますか?
新規認定の条件と既存契約は別です。現在の認定内容と買取契約を確認してください。年度が変わるだけで全設備が新単価へ置き換わるわけではありません。
24円なら自宅で使うより売った方が得ですか?
減らせる買電単価と比較します。蓄電池経由で夜に使う場合は、損失と機器費用、失う売電収入も加わります。電気料金の契約と時間帯が違えば結果も変わるため、一律には判断できません。
太陽光だけでも停電時に使えますか?
自立運転機能がある機器でも、操作や接続方法、出力に制約があります。発電しない夜間や悪天候に太陽光だけで供給し続けられるわけではありません。停電対策は蓄電池の容量・出力の確認ガイドも参考に、必要な家電と時間を決めて比較します。
何年で元が取れますか?
全国一律の年数は示せません。初期費用、年ごとの売電単価、買電削減、劣化や修理、借入費用を含めた収支で判断します。最初の4年と5年目以降を分けた試算と、発電量が予測を下回る場合の試算を依頼してください。
2027年度の価格は、さらに下がるのでしょうか?
2026年3月19日の経済産業省の決定では、住宅用10kW未満の2027年度も初期投資支援スキームで、最初の4年間24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWhです。2026年度と比べて一律に単価が下がるという前提で契約を急ぐ必要はありません。ただし、認定や接続の手続きが予定どおり進むか、実際にどの年度の条件が適用されるかは工事日だけで判断せず確認します。
出典
確認日:2026年9月25日。試算は前提を置いた仮例であり、将来の収益や発電量を保証するものではありません。








