畳の部屋をフローリングに変える費用は、広さだけでは決まりません。畳を外した後の下地、廊下との高さ、マンションの遮音条件によって必要な工事が変わります。まずは6畳・8畳の参考額を知り、次に自宅で増える工事を分けて確認すると、見積もりを比べやすくなります。
パナソニックの公式解説にある畳からの張り替え単価を単純計算すると、6畳は11.4万〜15.6万円、8畳は15.2万〜20.8万円が参考になります。ただし、これは同社が示す1畳あたりの目安を広さに掛けた金額です。税区分や個々の追加工事まで確定した、自宅の見積もりではありません。
この記事では、費用の読み方、床をつくり直す工程、材料選び、DIYとの違い、依頼前の確認事項までを整理します。壁・天井・押入れも含めた和室全体の洋室化とは分けて、床工事に必要な判断を考えましょう。
畳からフローリングにする費用|6畳・8畳の目安
1畳あたりの参考単価と、広さ別の計算
パナソニックのフローリングリフォームの公式解説は、現在の床が畳の場合、張り替え費用の目安を1畳あたり1万9,000〜2万6,000円と案内しています。以下は、その単価に畳数を掛けた計算です。
| 部屋の広さ | 参考額の計算 | 計算上の参考額 |
|---|---|---|
| 4.5畳 | 1.9万〜2.6万円 × 4.5 | 8万5,500〜11万7,000円 |
| 6畳 | 1.9万〜2.6万円 × 6 | 11万4,000〜15万6,000円 |
| 8畳 | 1.9万〜2.6万円 × 8 | 15万2,000〜20万8,000円 |
| 10畳 | 1.9万〜2.6万円 × 10 | 19万〜26万円 |
2026年9月24日にパナソニック公式ページで確認。元の価格表は税区分を明記していないため、上表を税込価格とは扱っていません。時期・地域で変わる目安であり、特殊な下地補修、断熱、遮音、家具移動などをすべて含む保証はありません。契約判断には、消費税と工事範囲が明記された現地調査後の見積もりを使ってください。
例えば8畳の見積もりが上表を上回っていても、それだけで割高とは判断できません。下地の交換や遮音仕様が含まれている可能性があります。逆に参考額より安くても、畳処分や高さ調整が別料金なら、支払総額は後から増えることがあります。
畳数と床面積を混同しない
6畳や8畳という呼び方が同じでも、畳や部屋の実寸は建物によって異なります。部屋の形、柱の出っ張り、収納の床まで含めるかでも施工面積は変わります。畳数だけで発注せず、見積書には実測した㎡数と施工範囲を記載してもらいましょう。
測り方に迷う場合は、部屋の縦横を大まかに控え、押入れの床も変えるかをメモするところからで十分です。施工会社の実測後、各社の面積が違えば理由を聞きます。材料の切り落とし分などと、実際に張る床面積を区別して説明してもらうと比較しやすくなります。
安い重ね張りの価格を、そのまま当てはめない
すでにフローリングの部屋で、その上に薄い床材を張る工事と、畳を撤去して床の高さをつくり直す工事は別です。検索で安い価格が出ても、現在の床が何か、何を撤去するかを確認してください。
畳の上へ敷く木目調マットも、畳を撤去する本格的な床工事とは違います。見た目を一時的に変える目的と、段差や下地の状態まで改善したい目的を分けることが大切です。
畳を外した後、床はどうつくる?

木下地の床を例にした工程の概念図です。実際の床構造、材料の厚さ、施工手順は建物と採用する工法によって異なります。
図で注目したいのは、畳を外してすぐに仕上げ材を張るのではなく、床を支える部分と完成時の高さを確認する段階があることです。マンションのコンクリート床や既存の二重床では納まりが異なるため、図と同じ構造を指定するものではありません。
畳の撤去・処分
最初に畳を外し、施工する場所を確認します。見積もりでは撤去と処分の両方が含まれているかを確認しましょう。家具や荷物が残っている場合は、誰がいつ移動するかも決めます。
畳の下を開けるために、事前に一部を確認できるかも相談してください。確認できない部分があるなら、工事開始後にどんな状態が見つかる可能性があり、追加費用をどう相談するかを先に決めておきます。
下地の点検・補修
踏むと沈む、歩くときしむ、湿気や変色が気になる場合は、表面の床材選びより先に状態を伝えます。仕上げ材だけを新しくしても、原因が下地に残れば悩みを解消できないことがあります。
「下地調整を含む」という回答だけでは範囲が分からないので、「一部の補修ですか、全面の下地交換ですか」「傷みが見つかったら写真を見て判断できますか」と質問しましょう。補修範囲を限定できる場合と、開けてから判断する場合を分けて説明してもらいます。
高さの調整・仕上げ材の施工
畳と新しい床材では厚さが異なります。廊下、敷居、収納の入口などと、完成後にどの高さでつながるかを確認します。段差をなくしたい場合は、単に薄い材料を選ぶのではなく、下地を含めた仕上がり高さを相談してください。
戸が開くか、引き戸の敷居を残すか、巾木を交換するかも納まりに関わります。工事完了時に確認する場所として、図面や写真に印を付けておくと話が具体的になります。
費用が変わる3つの条件|下地・段差・遮音

床工事の確認点を示す概念図です。段差や音の広がりを説明する表現であり、実測寸法や遮音性能を表すものではありません。
同じ8畳でも、健全な下地を生かせる部屋と、傷みの補修が必要な部屋を同額には比べられません。図の3点を確認し、必要な工事と希望で追加する工事を分けて見積もってもらいましょう。
| 費用が変わる条件 | 現地調査で聞くこと | 回答後の判断 |
|---|---|---|
| 下地の状態 | 残せる範囲と補修する範囲はどこか | 補修が必要な理由と数量をそろえて比較 |
| 床の高さ | 廊下・敷居と何が変わり、建具調整が必要か | 段差解消を優先するか、残す条件を理解するかを決める |
| 遮音条件 | 管理規約に合う床材・工法か | 仕様と申請の確認前に床材を発注しない |
| 家具と搬入 | 移動、保管、養生、搬入に何が必要か | 自分でできる準備と有料作業を分ける |
| 隣接部分 | 巾木、押入れ、壁際、敷居は見積もりに入るか | 床以外の範囲をそろえて総額を比べる |
マンションは床材を決める前に管理規約を確認
マンションでは、使える床材や遮音性能、工事の申請方法が定められている場合があります。気に入った色だけで商品を決めず、管理組合に確認する書類と、施工会社が用意する製品・工法の資料を先に整理しましょう。
DAIKENの畳からフローリングへ変更する際の防音解説でも、畳を撤去した後の床衝撃音への配慮を案内しています。遮音性能は床材の名前だけでなく、床の構成や施工条件と合わせて確認することが大切です。
「防音タイプならどれでも大丈夫ですか」ではなく、「このマンションの規約に、この品番と施工方法で対応できますか」と聞いてください。回答が不明確なら、管理組合への確認が済んでから見積もりを確定します。特定の等級を使えば必ず階下に音が聞こえなくなる、というものではありません。
戸建ての寒さ・湿気は症状から調べる
足元の冷えが気になるなら、床材の交換だけでどこまで改善を目指すのかを相談します。床下の断熱状況、すき間、湿気などを現地で確認し、必要な対策を選びます。築年数だけで断熱工事が必須と決めつけず、現況と悩みを結び付けることが大切です。
見積もりは、床の張り替えと断熱などの追加案を分けると判断しやすくなります。「今一緒に行う理由」「後から行う場合の影響」「床の仕上がりへの影響」を聞き、予算内で優先順位を決めましょう。
床材の選び方|見た目と使い方を合わせる
木目の色が同じでも、表面の素材や塗装、使える場所は商品によって違います。無垢材、突板・挽き板、シート仕上げなどの名称だけで優劣を決めず、候補品番の仕様と手入れ方法を確認します。
| 暮らしの希望 | 比べたい項目 | 実物・仕様で確認すること |
|---|---|---|
| 木の質感を楽しみたい | 表面材、塗装、色柄の違い | 素足の感触、光の当たり方、手入れの方法 |
| 掃除の負担を抑えたい | 使用できる洗剤・清掃器具 | ワックスの要否、水拭きの条件 |
| ペットと暮らす | 滑り、傷、汚れへの配慮 | ペット対応の対象、汚れた際の拭き方 |
| 床暖房を使う | 床材と暖房方式の適合 | 採用品番と施工条件の組み合わせ |
| マンションに住む | 遮音仕様と管理規約 | 下地を含む採用工法と必要書類 |
これらは床材ごとの確認項目であり、どの商品も全項目に対応するという意味ではありません。小さなサンプルだけで迷う場合は、可能なら広い面での展示や施工イメージも確認し、昼と照明下での見え方を比べましょう。
予算調整では、希望する機能と色柄を分けると代替案を探しやすくなります。遮音などの必要条件を外して安くするのではなく、必要条件を満たす複数の商品から仕上げの違いを選びます。
DIYと施工会社への依頼はどう分ける?
DIYで畳の上に敷物を置くことと、畳を撤去して下地から床をつくることは別です。DAIKENは、畳の上にフローリングを重ねる方法について、下地を確認できないことや湿気などの懸念を説明しています。安い、戻しやすいという点だけで採用しないようにしましょう。
| 作業・判断 | DIYで検討する前の確認 | 施工会社に相談したい理由 |
|---|---|---|
| 敷物で印象を変える | 製品の施工条件、戸の開閉、湿気管理 | 長期使用や下地の状態が判断しにくい場合がある |
| 畳を撤去して床を張る | 下地・高さ・端部の納まりを扱えるか | 仕上がりと安全な支持を含めた判断が必要 |
| マンションの床工事 | 所有・管理上の条件、遮音、工事申請 | 承認に必要な製品・施工情報をそろえたい |
| 傷みや床の沈みがある | 原因が分かっているか | 表面の交換だけで済むか点検が必要 |
DIY費用を比べる場合も、床材代だけでなく、工具、運搬、畳の処分、材料の余り、やり直しを含めて考えます。自分でできるか不安なら、家具や荷物の事前整理を自分で行い、床工事は依頼するなど、役割を分ける方法もあります。
賃貸住宅は、自分の判断だけで床を変更せず、貸主や管理会社に工事と原状回復の条件を確認してください。
工期と工事中の生活を決める
パナソニック公式ページは張り替えを1〜2日程度としていますが、面積による目安です。下地補修、追加工事、材料手配などがあれば変わるため、どの住宅でも2日以内に終わるとは考えないでください。
日程の確認では、「作業日数」と「部屋を空ける期間」を別に聞きます。家具の移動日、養生や乾燥などで立ち入れない時間、工事後に家具を戻せる時点まで決めておくと、寝室や仕事部屋でも予定を立てやすくなります。
現地調査では、次の内容を共有しましょう。
- 動かしにくい家具、ピアノ、重い収納があるか
- 工事中に通る廊下、他の部屋、共用部をどう保護するか
- 在宅勤務や子どもの昼寝など、音が困る時間帯があるか
- 作業後の清掃、家具の戻し、残った材料の扱いを誰が行うか
作業音をゼロにする約束を求めるのではなく、いつ何をする予定かを聞き、必要に応じて別室や外出を組み合わせます。
見積もりで確認する項目と、費用を抑える順番
見積もりには、畳の撤去・処分、下地工事、床材と施工、巾木や建具の調整、養生、家具移動、諸経費、消費税がどう記載されているか確認します。項目がない場合は不要なのか、別途なのかを聞いてください。
予算を超えたときは、まず床以外の希望を分けます。壁・天井・押入れまで一緒に変える案と、床を優先する案を比べます。次に、必要な性能を満たす別の床材があるか相談します。最後に、自分でできる荷物の整理など、事前準備によって作業が変わるかを確認しましょう。
下地の必要な補修や管理規約への対応を省いて、見かけの金額だけを下げないことが大切です。相見積もりはリフォーム見積もりの依頼手順を参考に、同じ条件を各社へ伝えてください。
追加工事については、住まいるダイヤルの契約前の確認事項も参考になります。見つかった状態を説明してもらい、内容・追加額・日程に合意してから進める方法を契約前に決めましょう。
よくある質問
8畳ならいくら用意すればよいですか?
まず15.2万〜20.8万円という公式単価からの計算値を、張り替え費用を考える参考にできます。ただし、税区分や個別の追加条件が確定した総額ではありません。現地調査で下地、高さ、遮音、家具移動を確認したうえで、税込総額と、まだ確定していない項目を分けてもらいましょう。
床だけ変えて、壁や押入れは残せますか?
床以外を残す計画も相談できます。ただし、壁際の仕上げや敷居の納まりは確認が必要です。「床だけ」と伝えた後、巾木や押入れの床まで含むかを図面や写真でそろえてください。床の色と既存の木部が合うかも、サンプルを置くと判断しやすくなります。
工事後の段差は必ずなくなりますか?
必ずなくなるとは限りません。廊下、建具、床の構成などによって納まりが変わるため、段差解消が目的なら見積もり前に伝えます。完成後の高さと残る段差を図などで確認し、完成検査でも同じ場所を確かめましょう。
補助金を前提に予算を減らしてよいですか?
床の張り替え費用と、利用を検討する制度の見込みは分けて整理してください。制度ごとの対象工事や申請時期を担当窓口で確認し、確定していない見込み額を工事代金の値引きと同じようには扱わないことが大切です。お住まいの地域と工事内容を整理する診断も、制度を探す入口として利用できます。
まとめ|広さの次に、床の状態と工事範囲をそろえる
畳からフローリングにする費用は、6畳・8畳の参考額だけで決めず、下地・高さ・遮音の条件と合わせて読みましょう。床材の見た目、工事中の生活、完成後の使い方まで確認すると、安さだけでは見えない違いが分かります。
相談前には、部屋の広さ、気になる症状、残したい部分、希望予算、完成時期をメモしてください。施工会社を探す際にも、そのメモを同じ内容で伝えると、納得できる工事範囲と価格を比較しやすくなります。








