2026年6月 最新更新: 4月に発生したユニットバスの受注混乱は収束に向かいました。TOTOは 6月9日にユニットバス等の新規受注を全面再開 し、納期も中東情勢悪化前の通常水準へ戻ったと公表しています (出典: 日本経済新聞 2026/6/8)。一方で LIXILは8月3日受注分から水まわり (浴室・水栓金具・タイル)、9月〜10月にかけて建材・サッシ等の価格改定 を予定しており (出典: LIXIL公式 2026/5/18)、「値上がりは5月で打ち止め」ではない点に注意が必要です。検討中の方にとっては 8月2日までの受注が一つの分岐点 になります。
【30秒で要点】 2026年4月13日のTOTO受注停止に端を発したユニットバスショックは、4月20日からの段階的再開を経て、6月9日にTOTOが全製品で受注・納期を通常水準に戻したことで供給混乱は収束しました。クリナップ (4/24順次再開)・LIXILも受注は正常化しています。ただし問題はここからで、LIXILが8月3日受注分から浴室・水栓金具・タイルを、秋にかけてサッシ・建材・外装をほぼ全方位で値上げすることを公表しました。つまり「供給は戻ったが、価格はこれから段階的に上がる」局面です。先進的窓リノベ2026・給湯省エネ2026・みらいエコ住宅2026 を組み合わせ、値上げの前に動ける工事から着手する戦略が引き続き合理的です。
3秒でわかるポイント
- 供給は正常化 — TOTOは6/9にユニットバスを全面復旧、納期も通常水準へ。
- 値上げは継続 — LIXILは8月3日受注分から水まわり、秋に建材を改定予定。
- 動くなら今 — 値上げ前の受注+補助金併用で負担を抑えられる。
このページで分かること
- TOTOユニットバスの「全面復旧」状況 — 現時点で受注・納期がどこまで戻ったか
- LIXIL 8月・秋の値上げスケジュール — 水まわり・建材それぞれの改定日と改定率
- 「値上がりはいつまで?」への答え — 5月で終わらず8月にさらに上がる構図
- 「先にやる工事」「待つ工事」の判断基準 — 補助金活用との組み合わせ
- 補助金の予算消化リスク — 子育てグリーン/先進的窓リノベ/給湯省エネ各事業の現状
受注停止から「全面復旧」までの2ヶ月
2026年4月13日、TOTOがユニットバスの新規受注を一時停止しました。直接の引き金は中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の通航制限で、ユニットバスのフィルム接着剤・コーティング剤に使われる有機溶剤の原料、すなわちナフサ(粗製ガソリン)由来の溶剤の調達が困難になったことです。続いて4月14日にはLIXILが「納期未定」を宣言し、15日にはクリナップもシステムバス全般の受付を停止。ナフサ不足は1社の問題ではなく住宅設備業界全体の課題として一気に表面化しました。
その後、4月20日にTOTOが段階的に受注を再開、4月24日にはLIXIL・クリナップも順次再開。そして 2026年6月9日、TOTOはユニットバスを含む全製品の新規受注を全面再開し、納期も中東情勢悪化前の通常水準に戻った と発表しました。TOTOは「原材料の供給見通しが立ち、安定的な製品供給が可能になった」と説明しており、約2ヶ月にわたった供給混乱は事実上の正常化フェーズに入っています (出典: 日本経済新聞 2026/6/8 / 時事ドットコム 2026/6/8)。
| 日付 | 出来事 | メーカーの対応 |
|---|---|---|
| 4月13日 | TOTO受注停止 | 新規受付停止・再開未定 |
| 4月14日 | LIXIL納期未定化 | 同日受注分から納期保留 |
| 4月15日 | クリナップ停止 | システムバス全般の受付停止 |
| 4月20日 | TOTO段階再開 | 段階的に受付再開 |
| 4月24日 | LIXIL・クリナップ再開 | 順次受注再開・納期遅延あり |
| 6月9日 | TOTO全面復旧 | 全製品で受注再開・納期も通常水準へ |
供給そのものは戻りましたが、4〜5月の停止・遅延期間に積み上がった受注残の消化が完全に終わるまでは、地域や仕様によっては多少の納期前後が残るケースもあります。発注時には書面で納期を確認しておくのが安全です。
値上がりリスクの全体像
供給は正常化しましたが、コスト上昇の構造そのものは残っています。中東情勢の不安定化に伴うエネルギーコスト、原材料・購入部品価格、物流費の高騰は継続しており、メーカー各社はこれを価格に反映する方針です。LIXILは2026年5月1日にサッシ・ドア・金属サイディング等を改定済みで、ここから8月・秋にかけて第2弾・第3弾の改定が控えています。木造軸組や金属建材中心の窓・外壁・耐震系より、樹脂・配管・水回り設備への影響が相対的に大きい「水回り集中型のコスト圧」という性格は変わっていません。
| 工事項目 | 価格動向(直近の方向) | 納期動向 | 値上がりリスク |
|---|---|---|---|
| ユニットバス | 8月以降さらに上昇傾向 | 通常水準へ回復 | 高 |
| トイレ | 上昇傾向 | 通常〜やや遅延 | 中 |
| キッチン | 上昇傾向 | 通常水準 | 中 |
| 洗面化粧台 | 上昇傾向 | 通常水準 | 中 |
| 窓・サッシ | 秋に改定予定 | 通常通り | 中 |
| 外壁・屋根材 | 秋に改定予定 | 通常通り | 中 |
| 太陽光発電 | 横ばい〜微増 | 通常通り | 低 |
| エコキュート | 微増 | 通常水準 | 低 |
| 耐震・断熱 | 微増 | 通常通り | 低 |
供給混乱期は「お風呂を後回しに」が定石でしたが、局面が変わり、いまは 「値上げ改定日の前に受注を確定させる」 ことがコスト面の主な論点になっています。すでに見積を取っている方は、改定対象の品番が含まれるかを施工会社に確認しておきましょう。
2026年の値上げスケジュール — 「いつまで上がるか」の核心
「値上がりはいつまで?」という問いに対し、現時点で公表されている主要な改定スケジュールは次のとおりです。特にLIXILは2026年5月18日に水まわり・タイル・建材の改定を正式公表しています (出典: LIXIL公式ニュースルーム 2026/5/18 / 新建ハウジング)。
| 改定時期(受注/出荷分) | 対象 | 平均改定率(目安) | メーカー |
|---|---|---|---|
| 2026年5月1日(実施済) | サッシ・ドア・金属サイディング等 | 約5% | LIXIL |
| 2026年6月1日 出荷分 | タイル用接着剤 | 改定 | LIXIL |
| 2026年8月3日 受注分 | 浴室 | 約13%(品番により11〜15%程度) | LIXIL |
| 2026年8月3日 受注分 | 水栓金具 | 約8% | LIXIL |
| 2026年8月3日 受注分 | タイル(床・壁) | 約12% | LIXIL |
| 2026年9月1日 受注分 | 外壁・屋根材 | 約13% | LIXIL |
| 2026年10月1日 受注分 | 住宅サッシ・ドア/インテリア建材 | 約13% | LIXIL |
| 2026年10月1日 受注分 | エクステリア | 約15% | LIXIL |
つまり、「5月で値上げが一段落」ではなく、8月に水回り、秋に建材・外装と段階的に上がっていくのが2026年の実像です。LIXIL製の浴室・水栓・タイルを採用予定で、価格を抑えたい場合は 8月2日までに受注を確定できるかが一つの分岐点 になります。サッシ・外壁・屋根を含む工事なら、9月・10月の改定前が目安です。ナフサ高止まりの終息時期は公式には明示されておらず、「待てば下がる」局面が来る保証はありません。
ポイント: 改定は「受注分」基準のメーカーが多く、契約書の日付ではなくメーカーへの正式発注日が境目になります。改定前価格で押さえたい場合は、施工会社にいつ発注がかかるかを早めに確認しておきましょう。なお他メーカーも同様の改定を行う可能性があるため、採用予定メーカーの最新の価格改定情報も併せて確認してください。
過去のショックとの違い — ウッドショックとの比較
2021〜2022年のウッドショックを覚えている方も多いはずです。あのときは木材全般が大幅高となり、新築木造住宅が直撃を受けました。今回はそれと範囲も時間軸も異なります。
| 項目 | ウッドショック(2021〜2022年) | 今回のナフサショック(2026年) |
|---|---|---|
| 影響範囲 | 木造建築全般・新築中心 | 水回り設備に集中、その後建材へ波及 |
| 供給混乱 | 長期にわたり木材不足 | 約2ヶ月で受注全面復旧(TOTO6/9) |
| 価格の動き | 木材高騰・全体押し上げ | 水回り→建材へ段階的に改定継続 |
| 正常化目安 | 1.5〜2年 | 供給は2ヶ月で正常化・価格改定は継続 |
| 補助金影響 | グリーン住宅ポイント拡充 | 住宅省エネ2026継続 |
供給面では過去ほど長期化しませんでしたが、「価格が下がって元に戻る」局面はおそらく訪れません。原油・人件費・円安・物流費の各要素が構造的に押し上げているためです。「待てば安くなる」発想ではなく、「改定前に動いて補助金で負担を相殺する」発想に切り替える時期だと考えてください。
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メーカー別の供給・納期状況と代替戦略
供給が正常化した現在も、メーカーごとに納期や価格改定のタイミングに差があります。タカラスタンダードはホーロー素材中心でナフサ依存度が低く、停止期間中も通常受注を維持していました。仕様の妥協が許せる範囲でメーカーを横断的に検討するのは引き続き有効です。
| メーカー | 現時点の供給状況 | 標準納期(目安) | 戸建用標準価格(税抜・目安) |
|---|---|---|---|
| TOTO | 全面復旧(6/9)・通常水準 | おおむね通常 | 80〜180万円 |
| LIXIL | 受注正常化(8月以降値上げ予定) | おおむね通常 | 70〜160万円 |
| クリナップ | 受注再開済み | おおむね通常 | 75〜170万円 |
| タカラスタンダード | 通常受注を継続 | 比較的短い | 90〜200万円 |
| パナソニック | 通常受注 | 通常 | 85〜180万円 |
| ハウステック | 通常受注 | 比較的短い | 40〜90万円 |
※価格は仕様・サイズ・地域により大きく変動する概算です。値上げ改定の対象品番や正確な金額は、必ず施工会社・メーカーの最新見積で確認してください。
供給混乱期は「いつ届くか」が最大の論点でしたが、現在は供給が戻ったため、論点は 「どの改定日の前に発注を確定するか」「仕様と予算のバランス」 に移っています。納期と仕様、価格のどれを優先するかを、入居スケジュールと予算から逆算しましょう。
新築でお風呂が間に合わない場合の対応
供給が正常化したとはいえ、発注タイミングや仕様によっては引き渡しと納品のずれが生じることもあります。状況別の判断指針は次のとおりです。
| 状況 | 影響度 | 推奨対応 |
|---|---|---|
| 着工前(未発注) | 中 | 改定前の発注確定 or メーカー比較 |
| 建築中(発注済・未納品) | 小 | 工務店に納期再確認 |
| 内装施工中(納品済) | 小 | 通常進行 |
| 引き渡し直前 | 極小 | 影響なし |
「お風呂が決まらないから着工できない」という思い込みは禁物です。基礎・上棟・内装の大半はお風呂と切り離して進められます。多くの工務店が「お風呂だけ後工程に回す設計変更」で引き渡し時期への影響を最小化する手法を採用しています。
選択肢を比較すると次のようになります。
| 選択肢 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 改定前に発注確定 | 値上げ回避 | 仕様を早く決める必要 | コスト優先 |
| 代替メーカーに変更 | 工期維持 | 仕様妥協が必要 | 入居時期優先 |
| お風呂後付け施工 | 工期維持 | リフォーム費別途 | 柔軟に動ける人 |
| グレード調整 | コスト減 | 設備品質の調整 | 予算優先 |
ポイント: 値上げ改定日が近い品番を採用予定なら、「待つコスト」だけでなく「待つことで上がる価格」も判断材料に入れてください。仕様確定を少し前倒しするだけで、改定前価格で押さえられる場合があります。
2026年に活用できる補助金 — 値上がり分を吸収する
価格上昇分を補うのに有効なのが住宅省エネ2026キャンペーンの3制度です。先進的窓リノベは前年版から上限が縮小しましたが、併用すれば値上げ分を相殺できる規模感は維持されています。いずれも予算枠に達し次第、期限前でも受付終了となる点に注意してください。
| 制度名 | 対象工事 | 補助上限額 | 申請期限 |
|---|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026 | 窓・ガラス交換 | 100万円/戸 | 2026年12月31日(予算枠まで) |
| 給湯省エネ2026 | エコキュート/ハイブリッド/エネファーム | 7万円/10万円/17万円(台あたり) | 2026年12月31日(予算枠まで) |
| みらいエコ住宅2026 | 開口部・断熱・水回り等 | 60〜160万円/戸 | 2026年12月31日(予算枠まで) |
築25年・延床120㎡の戸建てで、窓を樹脂サッシに全交換+エコキュート交換+お風呂リフォームを同時実施した場合の試算が次の表です。値上げ分を上回る還元額になり得ます。
| 工事内容 | 工事費(税込・目安) | 補助金(目安) | 自己負担(目安) |
|---|---|---|---|
| 窓全交換(8箇所) | 220万円 | 80万円 | 140万円 |
| エコキュート交換 | 55万円 | 7万円 | 48万円 |
| ユニットバス入替 | 130万円 | 40万円 | 90万円 |
| 合計 | 405万円 | 127万円 | 278万円 |
※補助金額は工事内容・製品の性能区分・申請時点の予算状況により変動します。詳細な対象工事や加算条件は、お住まいの市区町村で独自加算がある場合もあります。国制度と地方自治体制度は、異なる工事に対してであれば併用できる場合があります。要件を満たす場合に申請可能で、最終的な可否や金額は公式サイト・登録事業者・自治体窓口でご確認ください。まずは補助金診断で対象を絞り込み、リフォーム補助金まとめで全体像を確認してください。
よくある質問
Q1. TOTOやLIXILで頼んだら、いまは普通に届きますか?
A. TOTOは2026年6月9日にユニットバスを含む全製品の受注を全面再開し、納期も通常水準に戻ったと公表しています。クリナップ・LIXILも受注は正常化しています。ただし停止期間中の受注残や仕様によっては多少前後する場合があるため、契約時に書面で納期を明記してもらうのが安全です。
Q2. 結局、値上がりはいつまで続くのですか?
A. 供給混乱は6月に収束しましたが、価格改定は継続します。LIXILは公表ベースで8月3日受注分から水まわり、9月〜10月受注分から建材・サッシ・外装を改定予定です。ナフサ高止まりの終息時期は公式に明示されておらず、「待てば下がる」前提では動かないのが現実的です。採用予定メーカーの改定スケジュールを確認し、改定前の発注を一つの目安にしてください。
Q3. LIXILの8月値上げは、どれくらい上がりますか?
A. LIXIL公式の公表では、8月3日受注分から浴室が平均13%程度(品番により11〜15%程度)、水栓金具が約8%、タイルが約12%程度の改定とされています。正確な金額は品番・仕様により異なるため、施工会社の見積で確認してください (出典: LIXIL公式)。
Q4. お風呂を後回しにしたら、家のリフォーム工事自体ができなくなりませんか?
A. 浴室以外の工事は通常どおり進められます。給排水と電気の取り合いだけ事前に決めておけば、ユニットバス本体は後施工でも支障ありません。工務店に「ユニットバスだけ後出しで」と相談してみてください。
Q5. 補助金は工事会社が代理申請してくれますか?
A. 住宅省エネ2026キャンペーンは「事業者登録された施工会社」が申請者となる仕組みです。見積もり段階で「補助金の登録事業者ですか」と確認しておきましょう。未登録の業者では制度を使えません。
参考・出典
- TOTO、ユニットバス受注を全面再開 納期も平常通りに(日本経済新聞 2026/6/8)
- TOTO、新規受注を全面再開 ユニットバス、中東情勢で一部制限(時事ドットコム 2026/6/8)
- TOTO、ユニットバスの受注を停止 ホルムズ封鎖で材料ナフサ不足(日本経済新聞 2026/4/13)
- TOTO、ユニットバスの受注を4月20日から再開へ(日本経済新聞 2026/4/16)
- 建材・設備機器のメーカー希望小売価格の一部改定について(LIXIL公式ニュースルーム 2026/5/18)
- LIXIL、水まわり・タイル、建材など値上げへ(新建ハウジング)
- 住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト
- 先進的窓リノベ2026事業
- 給湯省エネ2026事業
免責事項: 本記事の補助金額・申請期限・メーカー情報・価格改定率は2026年6月20日時点の公開情報に基づきます。各制度の予算消化状況やメーカーの価格改定・対応状況は日々変動します。実際の申請・契約・発注前には、公式サイトおよび施工事業者・お住まいの自治体窓口で最新情報をご確認ください。要件を満たさない場合は補助金が受給できないこともあります。
更新履歴
- 2026年6月20日: TOTOユニットバスが6/9に全面復旧し、納期は通常水準へ。LIXILは8月3日受注分から値上げ(浴室約13%/水栓約8%/タイル約12%)、9〜10月に建材・サッシ・外装も改定予定。
- 2026年5月15日: Panasonic受注再開と建材第2波値上げを反映。補助金予算消化情報を追加。
- 2026年4月28日: TOTO/LIXIL/クリナップ受注再開を反映。
- 2026年4月13日: 初版公開。








