2026年4月のナフサショック(中東情勢の悪化→ホルムズ海峡の通航不安→ナフサ由来の接着剤・溶剤不足)によるユニットバス受注停止は、2026年6月9日にTOTOが全製品の受注を全面再開し、納期も中東危機前の標準水準に戻すと発表(6月8日)。LIXIL・クリナップもすでに通常水準へ回復し、一連の受注停止は収束へ向かっています。Panasonicも6月後半に正常化し、現在は順次通常受注に戻っています。
ただし、ナフサ不足の 二次波として建材値上げの連鎖 は継続中。断熱材40%・ルーフィング40〜50%・配管材12〜20%・塗料20〜70%と、浴室本体の納期が戻ってもリフォーム費用全体は上昇傾向が続いており、「契約タイミングで数十万円差がつく局面」 が続いています。
現在の状況(要点)
- TOTO: 6月9日から全製品の受注を通常通り受付・標準納期で対応(6月8日発表)
- LIXIL/クリナップ: 「納期未定」は解消済み。通常水準での受注に復帰
- Panasonic: 5月中旬から納期回答を再開し、6月後半に正常化。現在は通常受注に復帰
- タカラ/ハウステック: 受注停止には至らず継続。乗り換え需要は落ち着きつつある
- 建材値上げは二次波で継続: 断熱材40%・ルーフィング40〜50%・配管材12〜20%・塗料20〜70%
- いまの焦点: 浴室の納期は戻ったため、見積もりは早めに取得し、値上げが進む建材側を見据えて動くのが得策
このページで分かること
- メーカー別の最新納期状況 (TOTO/LIXIL/クリナップ/Panasonic/タカラ/ハウステック)
- TOTO全面再開(6/9) の内容と、供給正常化の判断材料
- 継続中の建材値上げ連鎖 (断熱材40%・ルーフィング40〜50%・塩ビ管12〜20%・塗料20〜70%)
- リフォーム計画を 「今進める」 vs 「待つ」 の判断基準
- 受注停止影響を受けない工事の優先順位 (窓・蓄電池・太陽光等)
- 補助金 (住宅省エネ2026) と値上げの相互作用
受注再開の経緯と現在の状況(2026年6月9日 全面再開)
TOTOがユニットバスの新規受注を6月9日から全面再開し、納期も中東危機前の標準納期に戻すと発表しました(2026年6月8日発表)。同社は「原材料の供給見通しが立ち、安定的な製品供給の維持が可能になった」と説明しています。4月13日の新規受注停止から約2ヶ月、4月20日以降の段階的再開を経て、これで一連の供給制限は解消に向かいます。
| メーカー | 納期状況 | 状態 |
|---|---|---|
| TOTO | 6月9日から全製品を通常受付・標準納期で対応 | 全面再開 |
| LIXIL | 「納期未定」解消。通常水準での受注に復帰 | 正常化 |
| クリナップ | 平常運転 | 正常化 |
| Panasonic | 5月中旬に納期回答を再開し6月後半に正常化。現在は通常受注 | 正常化 |
| タカラスタンダード | 受注継続。乗り換え需要は落ち着きつつある | 通常 |
| ハウステック | 受注継続・供給安定 | 通常 |
一方で、ナフサ不足の二次波である建材値上げは継続しています。断熱材・ルーフィング・配管材・塗料・鋼材などは値上げが進行中で、浴室本体の納期が戻っても、リフォーム費用全体は上昇傾向が続きます。お急ぎでない場合も、見積もりは早めに取得し、有効期限を確認しておくと安心です。
なお、納期・価格・供給状況は変動します。契約前に施工業者・各メーカーの最新発表をご確認ください。
継続中の建材値上げ連鎖
- 断熱材(グラスウール) マグ・イゾベール: 7/1出荷分より25%以上値上げ。受注は納入実績レベルに制限中
→ 断熱改修を含む計画は、見積もりの有効期限と数量確保の可否を早めに施工業者へ確認を。
- 雨とい ケイミュー: 7/1納入分より20%以上値上げ(JIS管本体30%以上・部材15%以上)
- 金属屋根材/外壁材 ニチハ: 7/1出荷分より15%程度値上げ(センタールーフ・センターサイディング)
→ 7月に入り屋根・外装材の値上げが実施フェーズへ。外壁・屋根工事を含む計画は値上げ前提で早めの見積もり取得を。
- 断熱材 カネカ系(ナフサ由来ボード): 最大40%値上げ実施済
- 断熱材 パラマウント硝子: 6月1日から15%値上げ
- 塩ビ管 積水化学: 12〜20%値上げ実施済
- ルーフィング: 40〜50%の大幅値上げ実施済
- 塗料 シンナー: 70%前後の値上げ+入手困難
- 塗料 溶剤塗料: 30%前後値上げ
- 鋼板 JFE鋼板: 6月から 10%以上値上げ
- シーリング材 アイカ工業: 一部製品で新規注文を一時制限
→ 浴室の受注・納期は正常化したものの、建材値上げは継続。お風呂以外の工事(外壁塗装・屋根・断熱)も計画している場合は、値上げ前提で早めの見積もり取得が有効です。
2026年下半期の見通し
【7月12日追記】7月10日、米政府がイランへの報復攻撃の完了を発表し、衝突は短期で収束するとの見方からWTI原油は反落(71ドル台)。国交省も、7月7〜9日に日本関係船舶22隻がホルムズ海峡を通過(日本向け原油タンカー6隻含む・湾内残留は4隻)と発表しました。供給再逼迫の懸念はやや後退していますが、情勢は流動的です。契約前に最新情報をご確認ください。
【7月10日追記】7月9日、米イランの衝突再燃でホルムズ海峡のタンカー航行がほぼ停止しました(同日朝の通過は2隻のみ/ロイター)。ナフサの再逼迫と建材価格の再上昇リスクが高まっています。政府側では7月7日、赤澤経産相がナフサの備蓄制度導入の検討を表明しました。メーカーの受注・納期は現時点で正常ですが、契約前に最新情報をご確認ください。
【7月8日追記】7月6日、ホルムズ海峡付近で商船2隻がミサイル攻撃を受けたと米政府高官が明らかにし(WSJ報道)、英海事機関もタンカーの被弾・火災を確認しました。米イランの交渉が再び停滞する懸念があり、ナフサ供給の正常化シナリオには不確実性が残ります。メーカーの受注・納期は現時点で正常ですが、情勢が再悪化すれば建材価格の再上昇リスクもあるため、契約前に最新情報をご確認ください。
「いつ・何が落ち着くのか」を判断するには、今後3つの要素を見る必要があります。
① メーカー別の正常化スケジュール
| メーカー | 状況 | 今後 |
|---|---|---|
| TOTO/LIXIL/クリナップ | 通常納期に復帰 | 安定 |
| Panasonic | 6月後半に正常化 | 安定 |
| タカラ | 通常納期 | 安定 |
② 建材値上げの第二波
ナフサ系建材(断熱材・塩ビ管・ルーフィング)は値上げ済み。6月には鋼材(JFE 10%以上)・断熱材(パラマウント硝子 15%)が続き、7月以降はシーリング材・接着剤の追従値上げが予想されます。浴室の納期が戻った今、焦点は「建材コスト」に移っています。
③ 補助金予算の消化スピード
住宅省エネ2026キャンペーン(子育てエコホーム・先進的窓リノベ等)は予算に枠があります。4月の受注停止で遅れた工事分が動き出すため、申請の集中が見込まれます。早めに申請手続きを進めておくと安心です。
「待つ」 vs 「進める」 の判断基準
| 状況 | 推奨アクション |
|---|---|
| TOTO/LIXIL/クリナップで急ぎ | 受注・納期は正常化。通常通り契約・発注が可能 |
| Panasonic希望で急ぎ | 正常化済み。念のため最新納期を販売店に確認、急ぎは他メーカーも検討 |
| 補助金 (住宅省エネ2026) 活用 | 早めの契約・申請推奨。建材値上げで実質補助率が下がる前に |
| 急ぎでない | 浴室は正常化済み。ただし建材値上げは進行中 |
各メーカーの対応状況(現在)
| 項目 | ユニットバス | トイレ | その他 |
|---|---|---|---|
| TOTO | 6月9日から全面再開・標準納期 | 出荷制限解消 | 人気モデル(サザナ・シンラ等)も順次平常化 |
| LIXIL | 通常水準に復帰 | 発表なし (影響限定的) | 価格改定の可能性あり |
| クリナップ | 平常運転 | — | 安定 |
| Panasonic | 通常受注に復帰 | 同左 | 6月後半に正常化 |
| タカラスタンダード | 受注継続中 | — | ホーロー素材で影響は限定的 |
| ハウステック | 受注継続・供給安定 | — | 影響なし |
TOTO
6月9日から全製品の受注を通常通り受付け、標準納期での対応を再開(6月8日発表)。経産省の原材料メーカーへの供給継続働きかけと、原材料の供給見通しが立ったことが全面再開の決め手。
- 4月13日の新規受注停止 → 4月20日以降 段階的再開 → 6月9日 全面再開
- 人気モデル(サザナ・シンラ等)も順次通常納期へ
- トイレ・ウォシュレットの出荷制限は解消
- 売上影響: 2025年3月期ベースで該当事業約1,107億円(全売上の約15%)。東日本大震災以来の異例事態だったが、経産省支援で想定より早期に正常化
LIXIL
「納期未定」は解消済み。通常水準での受注に復帰しています。
- TOTO再開後の注文集中も落ち着き
- 価格改定の可能性あり(原材料・物流費の上昇分を反映)
クリナップ
原材料調達のめどがつき、平常運転で稼働中。納期も通常水準です。
Panasonic
5月中旬から納期回答を順次再開し、6月後半に正常化。現在は通常受注に復帰しています。
- バス・トイレ全製品(Lクラス/オフローラ/アラウーノ等)の供給は順次回復
- 急ぎの工事は他メーカー(TOTO・LIXIL・タカラ・ハウステック)への切り替えも選択肢
タカラスタンダード/ハウステック
両社とも受注停止には至らず継続。タカラはホーロー素材(接着剤不使用)のため影響限定的。TOTO等の再開で乗り換え需要は落ち着きつつあり、ハウステックも供給は安定しています。
住宅設備・建材の値上げが継続中
ナフサ不足は浴室の受注停止だけでなく、建材・住宅設備全体の値上げ を引き起こしました。浴室の納期は戻りましたが、こうした値上げは継続。お風呂以外の工事も計画している場合は、早めの見積もり取得・契約 が有効です。
| 項目 | メーカー/品目 | 改定内容 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 断熱材 | カネカ (発泡ポリスチレン系) | 最大40%値上げ | 実施済 |
| 断熱材 | パラマウント硝子 | 15%値上げ | 6月1日 |
| 配管材 | 積水化学 (塩ビ管・PE管) | 12〜20%値上げ | 実施済 |
| ルーフィング | 屋根用下葺き材各社 | 40〜50%値上げ | 実施済 |
| 塗料 | シンナー類 | 70%前後値上げ+入手困難 | 継続 |
| 塗料 | 水性/溶剤塗料 | 20〜30%値上げ | 継続 |
| 鋼板 | JFE鋼板 | 10%以上値上げ | 6月 |
| シーリング材 | アイカ工業 | 一部製品で新規注文を一時制限 | 継続 |
| ユニットバス | TOTO・LIXIL等 | 価格改定の可能性 | 今後 |
リフォーム計画への影響と今やるべきこと
お風呂リフォームを検討中の方
TOTO・LIXIL・クリナップは受注・納期ともに正常化し、契約・施工を通常通り進められる状況 です。
- 複数メーカーで見積もり — TOTO/LIXIL/クリナップに加え、タカラ・ハウステックも候補に
- Panasonicも正常化済み — 念のため最新納期は販売店・施工業者に確認
- 補助金の申請は並行して進める — 住宅省エネ2026キャンペーンは予算に枠があるうちに
- 建材値上げを見込んで早めに — 浴室以外の工事を含む場合は値上げ前提で計画
お風呂以外のリフォーム(判断基準)
以下の工事は ユニットバス受注停止の影響を受けていません。ただし、断熱材・配管・ルーフィング・塗料を使う工事は値上げ対象なので、見積もりの有効期限を確認しておきましょう。
| 工事 | ユニットバス影響 | 建材値上げ影響 | 補助金 |
|---|---|---|---|
| 窓リフォーム (内窓) | なし | 軽微 (樹脂サッシは原料影響) | 最大200万円 |
| 外壁塗装 | なし | 大 (塗料20〜70%値上げ) | 自治体による |
| 屋根葺き替え | なし | 大 (ルーフィング40〜50%値上げ) | 自治体による |
| 太陽光発電 | なし | 軽微 | 最大60万円 |
| 蓄電池 | なし | 軽微 | 最大60万円 |
| 耐震補強 | なし | 中 (鋼材6月10%値上げ) | 最大250万円 |
| 給湯器交換 | なし | 軽微 | 最大20万円 |
| 断熱改修 | なし | 大 (断熱材40%値上げ) | 最大100万円 |
よくある質問
Q. TOTOのユニットバスは通常通り注文できる?
はい。2026年6月9日からTOTOは全製品の受注を通常通り受付け、標準納期で対応しています(6月8日発表)。人気モデル(サザナ・シンラ等)も順次通常納期へ戻ります。具体的な納期は施工業者・販売店にご確認ください。
Q. Panasonicはいつ再開する?
5月中旬から納期回答を再開し、6月後半に正常化しました。現在は通常受注に戻っています。最新の納期は販売店・施工業者にご確認ください。
Q. リフォーム費用は値上がりする?
浴室本体の受注・納期は正常化しましたが、建材の値上げは継続 しています。断熱材40%、ルーフィング40〜50%、配管材12〜20%、塗料20〜70%、鋼板6月10%以上などが進行中です。お風呂以外の工事を含む場合は、早めの見積もり取得をおすすめします。
Q. 代替メーカーはある?
タカラスタンダード(ホーロー素材)とハウステックは受注停止なしで継続しています。TOTO等の再開で乗り換え需要は落ち着いてきていますが、相見積もりで納期・価格を比較するのが現実的です。詳しくは代替メーカー比較ガイドをご覧ください。
Q. 補助金は値上げの影響を受ける?
補助金額そのものは変わりませんが、工事費が上がれば自己負担額が増えるため、実質的に補助率は下がります。住宅省エネ2026キャンペーンは予算に枠があるため、早めの申請開始が安心です。
最新情報の確認先
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参考・出典
- 日本経済新聞: TOTO、ユニットバス受注を全面再開 納期も平常通りに
- 読売新聞: TOTO、ユニットバス新規受注を全面再開へ
- NHK: TOTO ユニットバスなどの受注 9日から全面的に再開
- 日本経済新聞: LIXILやPanasonic系、ユニットバスなど納期未定
- TOTO公式: 中東地域の情勢悪化に伴う製品供給への影響について
- 新建ハウジング: ナフサショックで相次ぐ大幅値上げ一覧
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- テイガク: 建材資材の値上げと受注停止の影響(2026年7月1日更新)
- 日本経済新聞: イラン革命防衛隊、ホルムズ海峡で商船を攻撃 米報道
- 共同通信: イラン、日本大手に原油購入打診 海峡安全不十分で実現見通せず
- ロイター/ニューズウィーク日本版: ホルムズ海峡のタンカー航行ほぼ停止、米イラン衝突再燃で海運リスク上昇
- 共同通信/東京新聞: 経産相、ナフサの備蓄を検討 安定供給急ぐ、中東情勢悪化で
- 新建ハウジング: マグ、グラスウール全製品25%超値上げ 7月1日から
- 日本経済新聞: 日本関係船22隻がホルムズ海峡通過、残り4隻に 金子国交相
- NHK: ペルシャ湾内の日本関係船舶 新たに22隻がホルムズ海峡通過
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