30秒で要点
埼玉県内で蓄電池の設置を考えているなら、埼玉県の「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」で蓄電池1件あたり10万円を受け取れる可能性があります。川口市・川越市など一部の市町村では独自の上乗せがあり、県×市の組み合わせで10万〜26万円程度の補助が現実的なラインです。なお国の「DR家庭用蓄電池事業」(SII)は令和7年度補正分が2026年5月29日に予算到達で公募終了し、再開予定は公表されていません(後継事業が公表されれば別途上乗せの可能性があります)。
埼玉県の令和8年度の制度は2026年5月18日から受付を開始しており(2027年1月29日まで)、蓄電池・エネファームは引き続き申請を受け付けています(太陽光発電・太陽熱利用システムは予算到達で受付終了)。予算は3,100件程度の先着順で、「あんしん認定事業者」との契約が必須という特徴があります。受付終了が早期化する傾向が続いており、見積もり取得から逆算して動くことが大切です。
本記事では、埼玉県独自の制度と国・市の併用シミュレーションを、2026年(令和8年)度の最新情報で整理します。記事末尾に補助金診断へのリンクを設置していますので、お住まいの市町村と工事内容に応じた個別シミュレーションはそちらをご活用ください。
埼玉県の蓄電池補助金 — 制度の全体像
埼玉県は2026年(令和8年)度も、家庭用蓄電池への補助を含む県独自制度を継続しています(令和8年5月18日受付開始)。中心となるのが下記の制度です。
制度の正式名称・根拠
- 正式名称: 家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金
- 所管: 埼玉県環境部エネルギー環境課 住宅等省エネルギー推進担当
- 委託先(申請窓口): 特定非営利活動法人 環境ネットワーク埼玉
- 根拠: 埼玉県地球温暖化対策実行計画(2050ゼロカーボン)に紐づく、省エネ・再エネ活用設備導入補助金交付要綱
埼玉県は2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指す「埼玉県2050ゼロカーボンシティ」を表明しており、家庭部門の脱炭素を加速させるための柱として、この補助金が位置付けられています。
2026年度(令和8年度)の補助金額
令和8年度の受付は2026年5月18日に開始しています。金額は下記のとおりで、最新の予算残・要綱は埼玉県の公式サイトでご確認ください。
| 設備区分 | 補助額(令和8年度) | 対象工事の例 |
|---|---|---|
| 家庭用蓄電池 | 10万円/件(定額) | 定置型のリチウムイオン蓄電池 |
| 住宅用太陽光発電 | 7万円/kW(上限35万円) | 自家消費30%以上が条件 |
| 太陽熱利用システム | 補助対象経費の2/3(上限20万円) | 強制循環型・自然循環型 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | 5万円/件 | PEFC・SOFC共通 |
※令和8年度は、太陽光発電設備・太陽熱利用システムが予算到達により受付終了しています(2026年7月時点)。蓄電池・エネファームは引き続き受付中です。
蓄電池は容量(kWh)に関係なく定額10万円のため、容量を大きく取るほど1kWhあたりの補助の手厚さは薄まる特徴があります。逆にコンパクトな小容量タイプを選ぶ世帯にとっては、相対的に有利な制度設計です。
対象者・対象住宅の条件
申請には以下のすべてを満たす必要があります。
- 申請者本人が埼玉県内の既存住宅に居住していること(新築は対象外)
- 設置する住宅の所有者(または共有者の同意がある人)であること
- 県税の滞納がないこと
- 「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者認定制度」の認定事業者と契約して工事を行うこと
- 交付決定通知を受けてから工事に着手すること(着工後の申請は対象外)
- 太陽光発電と同時に申請する場合は、発電量の30%以上を自家消費する設計であること
「既存住宅に限る」点が大きな特徴で、新築時に蓄電池を入れる場合は県の対象外になります。新築の方は市町村の新築対応制度や、公表待ちの国の後継事業を検討する流れになります(国のDR補助金は令和7年度補正分が2026年5月29日に公募終了)。
申請窓口 — 連絡先と受付時間
埼玉県の制度は県庁ではなく、委託を受けたNPO法人が窓口です。問い合わせ先を分けて把握しておくと迷いにくくなります。
申請受付・実務窓口
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 特定非営利活動法人 環境ネットワーク埼玉 |
| 住所 | 〒330-0074 さいたま市浦和区北浦和5-6-5 浦和合同庁舎3階 |
| 電話 | 048-767-6151 |
| 受付時間 | 平日9:30〜16:50(土日祝・年末年始除く) |
| 申請方法 | 環境ネットワーク埼玉ホームページからの電子申請 |
制度・要綱に関する問い合わせ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 埼玉県環境部 エネルギー環境課 住宅等省エネルギー推進担当 |
| 住所 | 〒330-9301 さいたま市浦和区高砂3丁目15番1号 県庁第三庁舎3階 |
| 電話 | 048-830-3042 |
書類の不備修正や交付決定の進捗は環境ネットワーク埼玉、要綱の解釈や制度の方針に関する質問は県エネルギー環境課、と覚えておくと連絡先選びで迷いません。
予算規模・受付期間・採択方式
埼玉県の補助金は先着順であり、抽選方式ではありません。早期に予算消化されると締切前でも受付終了となるため、年度開始直後の動き出しが効きます。
| 項目 | 令和7年度実績 | 令和8年度の見込み |
|---|---|---|
| 受付期間 | 2025年5月26日〜2026年1月30日 | 2026年5月18日〜2027年1月29日(受付中) |
| 予算 | 約3,100件程度 | 3,100件程度 |
| 採択方式 | 先着順 | 先着順(継続見込み) |
| 工事完了報告期限 | 翌年度の指定日まで | 同様に設定見込み |
近年の傾向として、補助単価が手厚いことから受付開始から数ヶ月で予算が消化されるケースも見られます。春〜初夏に契約・申請、夏〜秋に施工というスケジュール感を逆算するのが安全です。
埼玉県地域特有の事情 — なぜ蓄電池の効きが良いのか
埼玉県は内陸性気候かつ関東平野の中心に位置し、蓄電池の経済合理性を押し上げる地域特性が複数あります。
- 猛暑の長期化: 熊谷市は日本歴代最高気温41.1℃を記録した地域で、エアコン需要が極端に高まる時期があります。蓄電池×太陽光の組み合わせは、昼間に発電した電気を夕方ピークの空調に充てる「自家消費の最適化」に向いています。
- 落雷・突発停電のリスク: 関東平野は夏場に「雷三日」と呼ばれる雷雲帯が発達しやすく、瞬間停電や数十分単位の停電が起きることがあります。蓄電池があれば冷蔵庫・通信機器を守る防災備えとして機能します。
- 戸建住宅比率の高さ: 埼玉県は持ち家率が約65%、戸建比率が高く、屋根に太陽光を載せやすい立地が多い県です。県の補助金が「既存住宅」に限定される設計とも噛み合っています。
- 東京勤務世帯の自家消費パターン: 東京通勤の共働き世帯では昼間在宅率が低く、発電した電気を売電に回しがちですが、2026年時点では卒FIT後の売電単価が低水準で推移しており、蓄電池に貯めて夜に使う方が経済的な場面が増えています。
これらの背景から、埼玉県では蓄電池を「停電対策(レジリエンス)+電気代対策(経済性)」の両輪で評価する世帯が増えています。
国×埼玉県×市町村の併用シミュレーション
蓄電池補助金の最大の活用ポイントは併用です。下記が2026年度の代表的な組み合わせです。
国の制度(2026年時点の状況)
- DR家庭用蓄電池事業(SII): 経済産業省所管、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が事務局。蓄電池の初期実効容量に応じた定額補助でしたが、令和7年度補正事業は2026年5月29日に交付申請額が予算に達し、公募を終了しました(再開予定は公表されていません)。後継事業が公表されれば改めて併用の主軸になり得るため、SII公式サイトで最新の公募状況をご確認ください。
- 住宅省エネ2026キャンペーン(みらいエコ住宅2026事業など): 国交省・経産省・環境省の連携事業。リフォーム時に断熱改修等を行う場合の補助制度で、蓄電池そのものは主対象ではありません。なお前身の「子育てグリーン住宅支援事業」はリフォームの交付申請を2025年12月31日で終了しています。
埼玉県内の主な市町村独自制度(2026年度・代表例)
| 市町村 | 蓄電池の補助内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| さいたま市 | 独自の蓄電池補助金は実施なし(2026年4月時点) | 県・国の制度を主軸に検討 |
| 川口市 | 市内業者契約で約16万円、市外業者で約8万円(目安) | 地元業者で契約すると加算 |
| 川越市 | 約3万円(蓄電池) | 抽選方式、太陽光と同時申請が条件 |
| 加須市 | 住宅用再エネ設備設置補助金で蓄電池に対応 | 市の要綱に基づく定額補助 |
| 美里町 | 再生可能エネルギー設備等導入補助金 | 町独自に蓄電池・太陽光を補助 |
| 入間市 | ゼロカーボンシティ推進設備設置費補助 | 蓄電池含む省エネ設備を対象 |
各市町村の補助額・受付状況は年度途中で更新されるため、契約直前に必ず市町村公式サイトで最新情報を確認してください。最新一覧はリフォーム補助金まとめからも確認できます。
併用シミュレーション(蓄電池10kWhを設置する家庭の例)
蓄電池10kWh、本体・工事込みで税込250万円のケースを想定した試算です。国のDR補助(SII)は令和7年度補正分が公募終了しているため、下表は県+市町村の組み合わせで試算しています(後継の国事業が公表されれば、その分の上乗せが見込めます)。
| 居住市町村 | 埼玉県補助 | 市町村補助 | 合計補助額 | 実質負担額 |
|---|---|---|---|---|
| 川口市(市内業者で契約) | 10万円 | 約16万円 | 約26万円 | 約224万円 |
| 川越市(抽選当選+太陽光同時) | 10万円 | 約3万円 | 約13万円 | 約237万円 |
| さいたま市 | 10万円 | 0円 | 10万円 | 約240万円 |
| 加須市 | 10万円 | 市要綱による | 10万円〜 | 約240万円〜 |
市町村補助の金額・受付状況は年度途中で変わります。国のDR補助が後継化・再開された場合は、上記に数十万円規模が上乗せされる可能性があります。あくまで2026年7月時点の目安としてご覧ください。
申請の流れ(7ステップ)
埼玉県の制度を中心とした、契約から補助金受領までの典型的な流れです。
- 見積もり取得: あんしん認定事業者を1〜3社から選定し、相見積もりで価格と提案内容を比較
- 工事契約: 認定事業者と契約。契約日が交付決定後である必要がある点に注意
- 交付申請: 環境ネットワーク埼玉のWebフォームから電子申請。住民票、本人確認書類、見積書、設備カタログ、設置予定図面などを添付
- 交付決定通知の受領: 通常2〜4週間程度で通知。この通知より前に着工すると対象外
- 設置工事の実施: 交付決定後に着工。施工写真は実績報告で必須
- 実績報告書の提出: 工事完了後に領収書・施工写真・電気使用量データなどを添付して提出
- 補助金の振込: 内容確認後、指定口座へ補助金が振り込まれる(数週間〜2ヶ月程度)
国のDR補助金(SII)は令和7年度補正分が2026年5月29日に公募終了しており、現時点では県+市町村の制度が申請の中心です。後継の国事業が公表された場合は別途SIIへの申請が必要になり、要件・スケジュールが県制度と異なるため、併用を狙う場合は契約する事業者と最新の公募状況を確認しながら進めると安全です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 埼玉県の補助金は新築の家でも使えますか?
A. 県の「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」は既存住宅に限定されているため、新築時の蓄電池導入は対象外です。新築は市町村によっては新築対応の独自制度が選択肢になります(国のDR補助金は令和7年度補正分が公募終了しており、後継事業の公表待ちです)。
Q2. 蓄電池だけ設置する場合でも県の補助金は受けられますか?
A. はい、蓄電池単独でも10万円の補助対象です。太陽光と同時設置でなくても申請できます。ただし「あんしん認定事業者との契約」「県内既存住宅への設置」などの基本要件は同じく必要です。
Q3. 国・県・市の補助金は本当に同時に使えますか?
A. 制度ごとに「他の補助金との併用可否」の規定があり、国DR補助金と県・市の補助金は併用可能とされています。一方で、県の補助金と一部の市町村制度の組み合わせが制限される場合があります。契約前に施工事業者と各窓口に併用可否を必ずご確認ください。
Q4. 受付期間中でも予算が尽きたら申請できなくなりますか?
A. はい、埼玉県の制度は先着順のため、予算枠(令和8年度は3,100件程度)に達した時点で受付終了となります。例年、年度後半まで残るとは限らないため、年度初頭〜夏前の申請を推奨します。
Q5. 「あんしん認定事業者」はどこで探せますか?
A. 埼玉県の公式サイトで認定事業者の一覧が公表されています。地域・施工実績・販売価格帯で絞り込めるため、複数社の比較材料として活用するとよいでしょう。
Q6. 申請が通った後に蓄電池の機種を変更しても大丈夫ですか?
A. 交付決定後の機種変更は変更承認申請が必要です。容量や型式が変わると補助金額の見直しが入る場合もあるため、見積もり段階で機種を確定させ、変更を最小化する進め方が安全です。
Q7. 集合住宅(マンション)に住んでいても申請できますか?
A. 県制度は戸建・集合住宅とも対象になり得ますが、専有部に蓄電池を設置できる設計の住宅に限られます。管理組合の許可が前提となるため、契約前に必ず確認してください。
まとめ — 令和8年度は受付中、早めの申請が安全
埼玉県の蓄電池補助金は県10万円を軸に、川口市・川越市など独自上乗せのある市町村ではさらに加算が見込めます(現実的な合計は10万〜26万円程度)。国のDR補助金(SII)は令和7年度補正分が2026年5月29日に公募終了しており、後継事業が公表されれば大きな上乗せの可能性があります。先着順・あんしん認定事業者契約必須・既存住宅限定という3つの条件が前提で、令和8年度は2026年5月18日から受付が始まっているため、早めに動くスケジュール感が望ましいでしょう。
2026年度の正式な要綱・金額は埼玉県公式サイトでご確認ください。最新の発表に応じて、補助金の組み合わせを再シミュレーションしてください。お住まいの市町村と工事内容に応じた個別の見積もり目安は補助金診断で確認できます。あわせて全国の制度概要を整理したリフォーム補助金まとめも参考になります。
制度の詳細・最新の予算残額・受付状況は、必ず一次ソース(埼玉県公式・環境ネットワーク埼玉・各市町村公式サイト)でご確認ください。年度途中で要綱・金額が改訂される場合があります。








