「ナフサ不足はいつまで続く?」「建材の値上がりで、リフォームの見積もりも高くなる?」。工事を検討している方が確認したいのは、希望する商品を手配できるか、価格改定が自宅の費用にどれだけ影響するかです。
2026年9月21日に確認した公式発表では、TOTOとLIXILで対象商品の受注・納期の改善が案内されています。一方、建材では値上げを実施した商品や、今後の値上げが発表された商品があります。納期が改善しても、建材の値上がりでリフォーム費用が増える可能性があります。
ただし、材料の値上げ率がそのまま工事総額の増加率になるわけではありません。採用する商品、数量、改定の適用日、今の見積もりに反映済みかどうかによって、費用への影響は変わります。すべての建材に共通する不足の解消日や、工事費が安くなる時期は、今回確認した資料からは示せません。
この記事では、自宅の工事計画を具体化できるよう、建材5分野への影響、メーカー発表の読み方、見積もりの比較方法、待つ・進める判断を整理します。
最初に押さえたいこと
- 受注・納期はメーカーと対象商品を分けて確認する。浴室の回復を、建材全体の正常化と読み替えない。
- 値上げ率は「材料価格」「設備価格」「工事総額」のどれかを確認する。
- 工事を急ぐかは、故障の状態、希望商品の納期、総額、生活への影響で決める。
- 待つ場合も、次の確認日と判断条件を決める。終息予測だけで先延ばしにしない。
ナフサショックとは?なぜリフォームに関係するのか
ナフサは、原油から取り出される石油化学製品の原料です。分解して得たエチレンなどを加工し、樹脂などの材料をつくります。石油化学工業協会の解説でも、原料から中間製品、加工品へと複数の工程を経る流れが示されています。石油化学工業協会:ナフサの解説・材料ができるまで

編集部作成(AI制作補助)。ニュースから自宅の工事費を判断する際の確認手順です。原料価格の動きが、そのまま全商品の価格や工事総額に反映されることを示す図ではありません。
リフォームで確認したいのは、設備本体だけではありません。配管、床材、接着剤、防水材など、工事を完成させるための部材も含まれます。浴室本体が届いても、必要な部材や施工の手配がそろうかは、別に確認する必要があります。
ただし、建材の値上がりをすべてナフサだけの影響と説明するのも適切ではありません。たとえばサンゲツの価格改定通知は、原材料に加え、製造・物流コストの上昇を挙げています。不足の理由と価格変更の理由は、採用する製品の通知で確かめるのが基本です。サンゲツの価格改定通知
2026年9月に確認できた供給・価格の動き
浴室などの納期はメーカー別に改善を確認
TOTOは6月8日、システムバス・ユニットバスの通常の注文受付と標準納期での対応を、6月9日から再開すると発表しました。今後の発注状況や情勢によって対応が変わる可能性も記されています。「TOTOの全製品が即納になった」という発表ではありません。TOTO公式発表
LIXILは9月16日、浴室・トイレ・キッチン・洗面化粧台・水栓金具とタイルについて、8月末までに対象商品の納期が通常水準へ回復したと発表しました。発表日と回復した時期を区別して読むことが大切です。LIXIL公式発表
これらは工事を相談する際の前向きな材料です。ただし「通常納期」は「今日注文すれば明日届く」という意味ではなく、自宅の着工日を保証するものでもありません。品番・仕様を決めたうえで、販売店や施工会社に現場納品予定と工事枠を確認しましょう。
建材では、品目・基準日ごとに値上げが発表されている
次の表は、公式ページで確認できた値上げ通知の例です。業界全体の平均でも、自宅の見積価格でもありません。すでに適用日を迎えた改定は、今の見積もりに反映されている可能性があります。
| メーカー・対象 | 発表された価格改定 | 適用時期・基準 | 読み取るときの注意 |
|---|---|---|---|
| 積水化学:塩化ビニル管など | 塩化ビニル管12%以上、関連継手・マス等6%以上、ポリエチレン管10%以上 | 2026年6月1日出荷分から | 対象製品の販売価格。水回り工事全体が同率で上がるという意味ではない |
| サンゲツ:壁装材・床材・副資材等 | 18~30%程度。商品により異なる | 2026年7月1日受注分から | 顧客と工事会社の契約日ではなく、通知の受注基準を確認 |
| 東リ:ラバータイル「プラート」「プラートF」 | プラートは11,000→13,000円/㎡、プラートFは12,100→14,100円/㎡(税抜き上代) | 2026年10月21日の改廃に伴う改定 | 特定商品の上代。一般住宅の床張り替え相場や工事込み価格ではない |
出典:積水化学・4月22日発表、サンゲツ・4月13日発表、東リ・9月10日発表。いずれも2026年9月21日に本文を確認しました。
このように、納期が回復した商品がある一方、建材では値上げ済みの商品と、これから値上げされる商品があります。自宅の費用への影響は、採用商品が値上げの対象か、見積もりに反映済みかを確認して判断します。 すでに改定後の価格で見積もられている場合は、同じ通知の値上げ率をさらに上乗せして計算しないようにしましょう。
建材5分野で見る、工事への影響と確認ポイント
「断熱材なら一律何%、屋根なら何万円増」とまとめて考えると、工事条件の違いが抜け落ちます。次の5分野は、見積書のどこを確かめるかを探すための分類です。現在の欠品一覧ではありません。
| 建材・設備 | 関係する工事 | 比較したい情報 | 施工会社への質問例 |
|---|---|---|---|
| 断熱材 | 床・壁・天井の断熱改修 | 材料の種類、厚さ、性能、施工面積 | 同等性能を保った代替案はあるか。仕上げの復旧まで含むか |
| ルーフィング・防水材 | 屋根、ベランダ、屋上 | 製品・工法、下地補修、施工範囲 | 不足しているのは仕上げ材か防水材か。別工法で何が変わるか |
| 配管・継手 | 浴室、キッチン、トイレ | 管の種類・径・延長、継手、交換範囲 | 本体交換だけか、配管の更新や移設も含むか |
| 鋼板などの屋根・外壁材 | 葺き替え、外壁改修 | 材質、厚さ、塗装、面積、役物 | 価格変更の対象と理由は何か。足場や下地も見積もりに含むか |
| 内装材・住宅設備 | 壁紙、床、浴室・キッチン等 | 品番、色・柄、サイズ、接着剤などの副資材 | 本体と周辺部材を一緒に手配できるか。廃番・代替の有無は |
断熱材は「素材が違っても同じ」と考えない
断熱材には異なる素材・仕様があります。たとえば旭ファイバーグラスは、自社のグラスウールについて原材料の80%以上がリサイクルガラスと説明しています。「断熱材は全部ナフサ由来だから、同じように不足する」とは言えません。旭ファイバーグラスの原料説明
代替案を相談するときは、商品名や価格だけでなく、予定していた断熱性能を保てるか、必要な厚さを納められるか、施工方法と復旧範囲が変わらないかを聞きましょう。安い材料が見つかっても、工事範囲が変われば総額の比較をやり直す必要があります。
屋根・防水は、見えなくなる材料まで確認する
ルーフィングは屋根材の下に使われる下葺材で、雨水から住まいを守る役割があります。田島ルーフィングも、屋根材の下に敷く材料として案内しています。田島ルーフィングの住宅建材案内
見積もりでは、屋根の表面に見える材料だけでなく、防水材と下地補修の範囲も確認してください。「材料変更で安くなる」と提案された場合は、耐久性の説明、メーカーが示す施工条件、今回の工事で必要な補修まで聞くと比較しやすくなります。雨漏りなどがある場合は、相場が下がるまで待つ判断より、まず現地確認と応急対応の相談を優先します。
水回りは、設備本体と配管を分けて見る
浴室やキッチンでは、設備を同じ位置で交換する場合と、位置を変えて配管も工事する場合とで、確認項目が違います。配管メーカーの改定率を浴室本体の価格に掛けたり、配管の更新費を「設備代に含まれるはず」と考えたりしないようにしましょう。
既存配管をどこまで残すか、隠れている部分はいつ確認できるか、追加工事が必要な場合に誰がどう説明するかを決めておくと、解体後の判断に備えられます。浴室についてはユニットバスの納期と工事日程の確認ポイントも参考になります。
鋼板・内装材は、ナフサだけを理由にまとめない
鋼板そのものをナフサ由来の樹脂と同じ材料として扱うことはできません。屋根や外壁の見積もりに価格変更があれば、対象が金属材なのか、塗装・接着剤・副資材なのか、それ以外の工事項目なのかを分けて聞きましょう。
壁紙や床材は、シリーズ名が同じでも品番が違うことがあります。古い見本帳で選んだ色柄が引き続き手配できるか、接着剤などの指定副資材がそろうかも確認が必要です。代替品では、色だけでなく手入れ方法や用途への適合も比べます。
材料が20%上がると、工事費も20%上がる?

編集部作成(AI制作補助)。税抜きの仮例です。対象材料以外の費用と条件は変わらないと仮定し、実際の増額予測や相場を示すものではありません。
必ずしもそうではありません。工事総額には、設備・材料のほか、解体、施工、配管・電気、内装復旧、処分、諸経費などが含まれます。価格改定の対象がその一部なら、まずその部分への影響を分けて考えます。
計算の考え方を示す仮の例です。 税抜き総額100万円の工事のうち、価格改定の対象材料が10万円分あり、その部分だけ20%上がり、他の条件が全く変わらないとします。増額は2万円で、総額は102万円です。工事総額が20%上がって120万円になる計算ではありません。
実際には、仕入価格、数量、施工条件、値引き、他の費用の変更も関係します。この仮例を実際の増額予測に使わず、旧見積もりと新見積もりで「同じ項目がいくら変わったか」を説明してもらうために使ってください。
見積書の総額が変わったら、次の3点をそろえて比較します。
- 商品・品番・数量と施工範囲が同じか。設備のグレードアップや工事追加が混ざっていないか。
- 値上げ対象の材料、施工費、諸経費を分けられるか。通知の改定率と実際の増額はどう対応するか。
- 税込み・税抜き、有効期限、未確定項目の条件が同じか。
価格通知には「受注分から」「出荷分から」などの違いもあります。工事会社との契約日を早めれば旧価格になるとは限らないため、対象商品をいつ手配し、どの条件で価格を確定できるかを書面で確認しましょう。
不足の収束や今後の見通しは、何を追えばよい?
「秋に落ち着く」「年内には安くなる」と月だけを追うより、自宅の工事を判断できる情報に分ける方が実用的です。次の表は編集部の確認手順であり、将来の価格予測ではありません。
| 見る情報 | 確認する内容 | それだけでは決められないこと |
|---|---|---|
| 原料・供給に関する公表情報 | 対象品目、情報の日付、調達や在庫の説明 | 特定の設備が届く日、施工会社の工事枠 |
| メーカーの納期通知 | 受注受付、対象シリーズ、通常納期への回復 | 地域の在庫、選んだ色・オプションの納期 |
| 商品別の価格通知 | 改定対象、基準日、価格の種類 | 自宅の工事総額と値引き条件 |
| 見積書・個別の納期回答 | 品番、数量、納品日、有効期限、未確定項目 | 将来の市場全体の価格 |
| 工程表 | 解体、設備設置、復旧、使い始められる日 | 工程に含まれない別工事の予定 |
判断するときは、見つけたニュースの公開日だけでなく、「いつの状態を説明しているか」も確認します。9月に読んだ4月の供給通知を、現在も同じ状態が続く証拠にしないことが大切です。一方、新しい通知が見つからないだけで、制限が解除されたとも判断できません。
実際の予定を決める際は、全体の市況より、採用商品の最新回答を優先します。「納期回答が更新されたら再検討」「見積期限の前に改定の扱いを確認」のように、次の判断につながる日付を決めておきましょう。
いつリフォームする?「待つ・進める」の判断表
| 自宅の状況 | 今進めたいこと | 待つ場合に決めること |
|---|---|---|
| 浴室が使えない、漏水・雨漏りなどがある | 現地確認、応急対応、修理と交換の比較 | 応急対応でどこまでしのげるかを専門業者へ確認 |
| 希望商品と納期が決まっている | 現地調査、総額比較、工事枠の確認 | 待つことで得たい条件を明確にする |
| 希望商品の納期が未定 | 再回答日と代替品の総額・完了日を確認 | いつまで希望商品を待てるか、最終判断日を決める |
| 急がず、工事範囲も未確定 | 予算上限と優先順位を整理して概算相談 | 希望をまとめる期限と次の相談日を決める |
| 見積もりが予算を超える | 仕様変更、範囲の調整、段階施工の案を比較 | 後回しにした工事で再度必要になる費用を確認 |
「進める」は、すぐ契約するという意味ではない
現地調査や比較用の見積もりを取ることと、商品を発注して工事を確定することは別です。情報が足りない段階では、相談を進めて判断材料を集めることができます。早く契約すること自体を目的にせず、費用と日程を納得できる状態にしましょう。
代替品は、届く速さと使い勝手を一緒に比較する
たとえば浴室の代替案では、サイズ、入口、段差、掃除のしやすさ、必要な機能を一覧にして、残したい条件を施工会社へ伝えます。早く届いても、設置のための追加工事や機能の変更があれば、総額と満足度が変わります。
判断例(架空の相談ケース)として、希望商品Aの納期が未定で、代替品Bは納期回答済みだとします。Bが早く使えるかは、商品の納期だけでは決まりません。「Bの設置条件を確認済みか」「必要部材がそろうか」「施工枠を確保できるか」が分かってから、使い始められる日で比較します。
一度に全部直すか、分けるかも確認する
予算を抑えるために工事を分ける方法はありますが、必ず安くなるとは限りません。足場や養生、設備の移動・復旧などを再度行う必要があるか、施工会社に比較案を出してもらいましょう。今回解決すべき不具合と、後でも支障のない希望を分けると相談しやすくなります。
施工会社への問い合わせで確認したい7項目
見積もりを依頼するときは、次の項目をそろえて伝えると、漠然とした「ナフサの影響で未定」という説明から、一歩具体的な確認に進めます。
- 商品・部材:影響があるメーカー、シリーズ、品番。設備本体か副資材か。
- 価格:改定が反映済みか、未反映ならどの項目が変わる可能性があるか。
- 基準日:契約・メーカー受注・出荷など、どの条件が価格に関係するか。
- 納品と工事:現場納品日、着工日、完了日、使い始められる日。
- 有効期限:見積もりと納期回答をいつまで前提にできるか。
- 変更・遅延:代替案、追加費用、工程変更についての連絡と相談の方法。
- 次の回答:誰が、いつ、何を確認して連絡するか。
そのまま使える相談文
○○のリフォームを検討しています。今回採用する商品・部材に、供給や価格改定の影響が残っているか教えてください。対象品番、見積もりへの反映状況、現場納品日と使い始められる日を分けて確認したいです。未確定の項目は、次に回答いただける日と、代替案の費用・仕様の違いもお願いします。
回答はメールや見積書の備考など、後から確認できる形で残します。価格だけで契約を急かされた場合も、対象通知と具体的な差額を示してもらうことが先です。
よくある質問
ナフサ不足は2026年中に終わる?
今回確認した公式資料から、すべての建材・設備に共通する終息日は示せません。浴室などで納期の改善は確認できるため、ニュース全体の終息を待つより、使う商品の最新状況から判断を始められます。
受注再開、標準納期、在庫ありは同じ意味?
同じではありません。受注再開は注文を受けること、標準納期は通常の納期で対応することです。「在庫あり」と言われた場合も、選んだ品番・色・数量の在庫か、取り置きや配送の条件はどうかを確認してください。
ナフサや原油が安くなれば、工事もすぐ値下がりする?
原料価格が下がっても、設備・建材の販売価格や施工会社の見積価格が同時に下がるとは限りません。原料の値動きだけで工事費の値下がりを見込まず、採用商品の販売価格が変わったか、その変更が見積もりに反映されるかを確認します。待つ場合は、その間の不便や修理の負担も含めて判断しましょう。
値上げ前に契約すれば、今の価格を維持できる?
メーカーの改定基準と施工会社の見積条件によります。希望仕様が確定しているか、注文や出荷の条件を満たすかを確かめる必要があります。契約後に商品を変更した場合の扱いも聞いておきましょう。
在庫品や違うメーカーなら安心?
候補にはなりますが、在庫の有無だけで決めないことが大切です。設置可能な寸法・仕様、必要部材、保証やアフター窓口を確認し、工事込み総額と完成予定日で比較してください。
補助制度の確認と工事の相談はどう進める?
まず補助前の工事総額、仕様、工程をそろえ、制度については最新の公式案内と施工会社に別途確認します。補助後の見込み額だけで比較しないようにしましょう。リフォーム補助金の確認ガイドを相談項目の整理に利用してください。
次にすること:自宅の条件を4つそろえる
ナフサ不足のニュースを読んだら、採用商品、現場納品予定、工事完了予定、見積有効期限の4つを確認しましょう。この4つが分かれば、進められる部分と、回答を待つ必要がある部分を分けられます。
- 浴室交換の工程を知りたい方:TOTO・LIXILの受注とユニットバス納期の確認ポイント
- 工事予算を比べたい方:新築・リフォームの価格と見積もりの確認ガイド
- 市況の見方をあわせて読みたい方:ナフサショックはいつまで?価格と供給を確認する視点
問い合わせで未確定だった項目は、次の確認日を残しておきましょう。将来の相場を当てることより、希望する工事を、納得できる条件で進めるための情報をそろえることが役立ちます。







