ナフサ不足の住宅・日用品への影響|2026年下半期の価格予測と備え

この記事を読む前に|補助金のチェックは済んでいますか?
2026年はリフォーム費用が国・都道府県・市の補助金で大幅に減らせる可能性があります。国の住宅省エネ2026キャンペーン、都道府県の独自制度、お住まいの市区町村の助成金を併用するのが最大化のコツ。
申請を知らずに工事を始めると、後から補助金は受け取れません。
※ 診断は無料・登録不要。お住まいの市と工事内容から3〜30件の対象制度を即時表示します
30秒で要点
2026年4月時点で、国内ナフサ供給は政府発表で約4ヶ月分。第2波(日用品)は値上げが本格化し、第4波(住宅建材・設備)はサッシ・給湯器・断熱材で価格改定と納期遅延が同時進行中です。「住宅省エネ2026キャンペーン」(先進的窓リノベ/給湯省エネ/みらいエコ住宅)は、申請期間が2026年12月31日まで、予算上限到達で早期終了するため、第4波本格化前の駆け込みが合理的です。窓は最大100万円、給湯器は最大17万円、リフォーム全体で最大100万円まで併用可能。
なぜ「日用品の備蓄」と「住宅リフォーム」を同じ話で語るのか
ナフサ(粗製ガソリン)は原油を蒸留して取り出す中間原料で、エチレン・プロピレン・ブタジエンといった石油化学製品の出発点になります。ティッシュの包装フィルムから戸建て住宅の塩ビパイプ・樹脂サッシ・浴室FRPまで、原料をたどるとほぼ同じ場所にぶつかる、というのが今回の供給危機の本質です。
帝国データバンクが2026年4月17日に公表した「ナフサ関連製品サプライチェーン動向分析調査」によると、ナフサ由来の化学製品メーカー52社と取引関係を持つ国内製造業は4万6,741社。これは集計対象とした全製造業の約3割に相当し、9割が資本金1億円未満の中小企業です。さらに、原油価格高騰や供給不安について「経営にマイナス影響がある」と回答した企業は96.6%、4割超が「6ヶ月未満で主力事業の縮小につながる」と回答しています。波が立ち上がる場所は1か所でも、押し寄せる海岸線は全国に広がっているということです。
つまり、家計の防衛策と住宅の発注タイミングをバラバラに考えると、片方は守れても片方で大きく損をする構造になっています。日用品を多めに買う判断と、リフォームを前倒しで決める判断は、「いつ・どの段階の波が・どの程度の振幅で来るか」を読むという同じ物差しの上にあります。
ナフサ不足の現在地——政府発表「4ヶ月分」の中身
2026年4月5日、高市早苗首相はXで「少なくとも国内需要4ヶ月分のナフサを確保している」と投稿しました。ただしこの「4ヶ月」は単純な備蓄量ではなく、輸入・精製と中間製品の合算である点に注意が必要です。下表は公的発表と業界資料を編集部で整理したものです。「2ヶ月+2ヶ月=4ヶ月」という構造を把握しておくと、報道の数字に振り回されにくくなります。
| 区分 | 内訳 | 期間目安 |
|---|---|---|
| ナフサ本体 | 調達済み輸入+国内精製の継続分 | 約2ヶ月 |
| 中間製品 | ポリエチレン・PP・PVC等の川中製品在庫 | 約2ヶ月 |
| 合算 | 上記の合計 | 約4ヶ月 |
注意したいのは、4ヶ月はあくまで「全国平均・需要が現状維持の場合」の見立てだということです。エチレンクラッカーの稼働率が下がれば樹脂類の在庫消化が前倒しになり、サッシ・配管・浴室パネルなど特定アイテムは4ヶ月よりかなり早く品薄が顕在化する可能性があります。実際、住宅設備分野ではすでに2026年3〜4月にかけて、塗料・断熱材・塩ビ管・サッシで価格改定や受注制限が起こっています。
住宅まわりの値上げ・受注制限まとめ(2026年4月時点)
第4波の入口にあたる住宅建材・設備の動きを、各社の公表内容で確認します。塗料と断熱材で改定率が極端に大きい点、サッシと給湯器でメジャー2社が同方向に動いている点が読みどころです。記事執筆時点での代表的な値上げ・改定情報を以下にまとめます。
| 品目 | 主な動き | 公表時点 |
|---|---|---|
| 塗料・シンナー | 日本ペイントが塗料用シンナーを最大約75%値上げ | 2026年3月19日付 |
| 断熱材(グラスウール/硬質ウレタン) | 業界全体で40〜50%の改定実施・予告 | 2026年3〜4月 |
| 塩ビ管・継手 | 主要メーカーが2桁%の値上げ・受注制限 | 2026年4月 |
| 樹脂サッシ | LIXIL・YKK APが住宅用サッシで5〜15%改定 | 2026年4月24日受注分〜 |
| 給湯器(ノーリツ) | 温水機器の希望小売価格を改定 | 2026年3月2日/4月1日受注分〜 |
| ユニットバス | 大手1社が一部仕様で受注を一時停止 | 2026年4月 |
家計目線でいうと、第2波(日用品)の上昇率は数%〜十数%にとどまる一方、住宅設備は1品目で2桁%の改定が当たり前という違いがあります。たとえば窓まわり・給湯器・配管の3点セットで200万円規模のリフォームをする家庭の場合、改定後の見積もりは10〜30万円単位で押し上がる計算です。だからこそ、今は補助金で押し戻せる金額の最大値を把握しておくことが重要になります。
2026年「住宅省エネ2026キャンペーン」補助額一覧(基本+加算)
国の3制度(先進的窓リノベ/給湯省エネ/みらいエコ住宅)はワンストップ窓口で同時申請できます。まずは1戸あたりの補助上限と1機器あたりの典型額を押さえてください。
| 制度 | 対象工事 | 1戸あたり補助上限 | 代表的な単価 |
|---|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業 | 内窓設置・外窓交換・ドア交換等 | 最大100万円 | 内窓1箇所最大14.0万円(性能S・大サイズ) |
| 給湯省エネ2026事業 | 高効率給湯器の設置 | 台数上限あり(戸建て2台等) | エコキュート基本7万円・加算10万円/ハイブリッド10万円/エネファーム17万円 |
| みらいエコ住宅2026事業(旧・子育てグリーン住宅支援事業) | 開口部・躯体断熱・エコ住宅設備等 | 最大100万円(子育て・若者夫婦世帯) | 工事内容ごとに数千円〜万円のメニュー単価 |
加算要件を組み合わせると上限は上振れします。たとえばエコキュートは「インターネット接続+おひさまエコキュート要件」を満たすと10万円/台、加えて電気温水器からの撤去で+2万円、最大12万円/台まで届きます。窓も性能区分がS(Uw1.5以下)以上でなければ2026年は補助対象外となるため、メーカーの型番選定を間違えると同じ工事費でも補助額がゼロになりかねません。
対象/対象外を見分けるチェックリスト
申請してから「対象外でした」と返ってくる事故を防ぐため、出発点でつまずきやすい論点を整理します。下記のうち1つでも×がつく場合は事前に施工店で確認してください。
- 工事の着手日が2025年11月28日以降であること(既存住宅のみ対象、新築は別制度)
- 登録された「住宅省エネ支援事業者」と工事請負契約を結んでいること
- 1申請の補助額合計が5万円以上になる規模であること(少額工事は対象外)
- 窓は性能区分S(Uw1.5以下)以上、給湯器は事業の対象機種リストに掲載済みであること
- 同一工事に対して国の他補助金(こどもエコすまい等)と重複申請していないこと
- 完了報告と交付申請を2026年12月31日までに完了できる工程であること
逆に、よく誤解される点として「賃貸の入居者が単独で申請する」「DIYで施工した費用を申請する」「2025年11月27日以前に着工した工事を後から申請する」はいずれも対象外です。個人が自分で申請窓口に出すことはできず、登録事業者が代行する点も、家族・知人による工事を頼むときの落とし穴になります。
国×都道府県×市区町村の併用シミュレーション
国の制度は、自治体の上乗せ補助と役割が重ならない範囲で併用できる場合があります。下表は、横浜市の戸建て住宅(築20年・延床100㎡)で「窓4箇所内窓設置+エコキュート交換+外壁断熱」を実施するケースを、編集部が公開情報をもとに概算したサンプルです。実額は工事内容と自治体年度予算で変動します。
| 区分 | 制度・施策 | 想定補助額 |
|---|---|---|
| 国(窓) | 先進的窓リノベ2026(性能S・大サイズ4箇所) | 約40万〜56万円 |
| 国(給湯器) | 給湯省エネ2026(加算機種+電気温水器撤去) | 12万円 |
| 国(断熱) | みらいエコ住宅2026(外壁断熱・部分断熱メニュー) | 約15万〜25万円 |
| 都道府県 | 神奈川県の省エネ住宅改修補助(年度予算と要件次第) | 5万〜20万円 |
| 市区町村 | 横浜市住宅省エネ改修補助(同上) | 5万〜15万円 |
| 合計目安 | — | 約77万〜128万円 |
この概算で覚えておきたいのは、国の3制度を「窓は窓」「給湯は給湯」「断熱は断熱」の役割分担で組めば二重取りにはあたらないこと、そして自治体補助は予算が早期に締め切られやすいことです。とくに2026年度はナフサ不足を背景に申請件数が読みにくく、上半期で枠を使い切る自治体が出る可能性があります。具体的にいくら戻るかは、お住まいの自治体・工事内容・世帯属性で大きく変わるため、補助金診断で個別条件を確認するか、リフォーム補助金まとめで全体像を把握したうえで施工店に見積もり依頼するのが近道です。
申請の流れ(ステップ図)
国の住宅省エネ2026キャンペーンは、個人が窓口に書類を出す制度ではなく、登録事業者が代行する制度です。施主の役割は「契約と確認」、書類作業は施工店、と覚えてください。
- 登録事業者を選定:公式サイトの「事業者検索」で住宅省エネ支援事業者を確認(窓・給湯・住宅で別登録)
- 見積もり・現地調査:型番・性能区分・工事範囲を仕様書に明記してもらう
- 工事請負契約の締結:着工日が2025年11月28日以降であることを確認
- 着工〜完了:交付申請には完了が前提(着工前申請は不可)
- 交付申請:2026年3月下旬〜2026年12月31日(予算上限到達で早期終了)
- 補助金の還元:振込または工事代金からの値引きで施主に還元
申請受付は2026年3月下旬に始まり、最終締切は遅くとも2026年12月31日です。ただし予算上限に達した時点で受付終了となるため、第4波の本格化と重なれば想定より早く締め切られる可能性があります。
よくある質問
Q1. 値上げ前に駆け込み発注すべきですか。
A. 一概には言えませんが、サッシ・給湯器・断熱材は2026年4〜6月に価格改定が集中しているため、見積もりが既に手元にある場合は有効期限と着工日を施工店に確認するのが先です。補助金は「契約日ではなく着工日」と「完了日」が判定基準になります。
Q2. ナフサ不足で工事が遅れたら補助金は失効しますか。
A. 完了報告が2026年12月31日を過ぎると交付申請ができないため、納期遅延リスクのある建材を含むリフォームは前倒しで着工するか、代替仕様(金属系建材等)への切り替えを施工店に相談してください。
Q3. 国と自治体の補助金は併用できますか。
A. 同一工事への二重交付は禁止ですが、役割が異なる工事(例:国=窓、市=外壁塗装)であれば併用可能なケースがあります。自治体側に「他補助との併用可否」の規定があるため、申請前に窓口で確認してください。
Q4. 賃貸住宅でも使えますか。
A. 先進的窓リノベ2026・給湯省エネ2026は所有者の同意を得たうえで賃貸住宅でも申請可能です。ただし申請者は工事発注者(オーナーまたは管理会社)が想定されており、入居者単独での申請はできません。
Q5. DIYで内窓を取り付けた費用は補助されますか。
A. 対象外です。登録された住宅省エネ支援事業者による工事が要件のため、施主自身や未登録業者の施工は補助対象になりません。
Q6. 4ヶ月分のナフサが尽きたら何が起きますか。
A. ナフサ本体(約2ヶ月分)が先に枯渇すると、エチレンクラッカーの減産→塩ビ・PE・PP在庫の前倒し消化→受注停止という順で広がる構造です。住宅設備では配管・サッシ・浴室パネルが先行して納期遅延となる可能性が高く、政府の追加調達(中東以外からのスポット輸入)と備蓄取り崩しが間に合うかが当面の焦点です。
参考・出典
- 住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト(国土交通省・経済産業省・環境省)
- 先進的窓リノベ2026事業(環境省)
- 給湯省エネ2026事業(経済産業省・資源エネルギー庁)
- ナフサ関連製品サプライチェーン動向分析調査(帝国データバンク 2026年4月17日)
- ノーリツ 価格改定のお知らせ(2026年1月26日発行)
※本記事は2026年4月時点の公表情報をもとに編集部が整理したものです。補助金の予算枠・要件・申請期間および建材・設備の価格改定内容は今後変更される場合があります。最終的な対象判定・申請手続きは、各制度の公式サイトおよび登録事業者・自治体窓口にて必ずご確認ください。要件を満たす場合に申請可能であり、交付を保証するものではありません。
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リフォーム補助金ナビ編集部
在籍資格者
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