2026年の塗料価格改定は、外壁・屋根のリフォームを考える人にも関係します。ただし、塗料の値上げ率と、塗装工事全体の値上げ率は別です。材料の改定情報を見て、工事見積もりの合計に同じ率を掛けることはできません。
この記事では、メーカーの公式発表で確認できる改定日・対象を整理し、手元の見積もりをどう確かめるかを説明します。2026年9月21日時点の確認で、将来の値下がり日や供給の完全な正常化を予測するものではありません。
公式発表で確認できる6月の価格改定
| メーカー・発表日 | 対象と改定率 | 適用日・基準 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 日本ペイント・5月13日 | 溶剤系25〜35%、水性20〜30% | 6月1日出荷分から | 一部製品は範囲を超える可能性。運賃は別条件 |
| 関西ペイント・5月29日 | 溶剤系20〜35%、水性15〜30%、粉体系15〜25% | 6月15日出荷分から | 個別品の条件は別案内。この発表は運賃改定を含まない |
出典:日本ペイント公式/関西ペイント公式。両社とも、すでに注文済みでも該当日以降の出荷分を対象とする案内があります。シンナーの改定は別時点・別条件なので、この塗料の率と混ぜません。
日本ペイントは8月7日に、6月の改定を反映した「設計価格表2026年7月版」の掲載も案内しています。設計価格表は見積もり条件を確認する資料で、個々の家庭の契約総額を保証する価格表ではありません。設計価格表の掲載案内
古い見積もりを持っている人が確認すること
見積もりの作成日・有効期限、塗料の商品名と数量、使用する価格表、発注・出荷予定、追加改定時の扱いを確認します。6月以前の見積もりだから必ずそのまま施工できる、または必ず改定率分高くなる、とは一律に判断できません。
価格が変わると言われたら、元の見積もりと新しい見積もりを同じ仕様で並べます。塗料変更、施工面積、下地補修、足場、付帯部、工期条件が変わっていないかも確認してください。
工事総額への影響を分けて考える

編集部の説明図(AI生成補助)。費用の内訳を示す概念図で、塗料の改定率が工事総額へ同率でかかるわけではありません。副資材を補修費へ含めるなど、項目の分け方は業者によって異なります。
工事費には、塗料・副資材のほか、足場、洗浄、下地補修、養生、施工、人件費、処分、現場管理が含まれます。メーカー改定による材料差額と、それ以外の見積もり変更を分ければ、何が増えたかを理解できます。
仮に材料部分だけが上がる条件なら、総額への影響は材料の構成比によって違います。ただし構成比や仕入れ価格が分からないまま、一般的な比率を置いて自宅の値上げ額を断定しないでください。施工会社に説明と内訳を出してもらうのが確実です。
工事を待つか、進めるかの判断
| 自宅の状況 | 優先すること | 価格情報の使い方 |
|---|---|---|
| 漏水・浮き等の不具合がある | 原因調査と必要な補修を先に相談 | 値下がり待ちで放置しない |
| 計画的な塗り替えを検討 | 現地調査と同条件の見積もり | 有効期限・材料・工程を比較 |
| まだ傷みを調べていない | 写真と現地調査で状態を確認 | 値上げだけを理由に全面施工を決めない |
| 契約済みで変更の連絡がある | 契約条件と変更内訳を確認 | 口頭だけで増額承認しない |
工事の必要性は、築年数や価格ニュースだけでは決まりません。外壁材、既存塗膜、目地、雨漏り、立地などを調査します。高い塗料を選べばどの下地にも適するわけではなく、必要な補修と施工仕様を優先してください。
代替塗料を提案されたときの比較点
材料の確保や予算のために変更する場合は、メーカー・商品名、下塗りとの組み合わせ、艶・色、施工条件、保証、期待耐用年数の根拠を比較します。「同等品」という言葉だけで承認せず、何が同じで何が違うかを説明してもらいます。
色は小さな見本だけでなく、日当たりや隣接する屋根・サッシと合わせて確認します。変更によって工期・乾燥・手入れが変わるかも聞き、書面で記録します。
塗装工事の見積もりで「どこが上がったか」を聞く
塗料価格は総工事費の一部です。足場、洗浄、下地補修、シーリング、塗装作業、付帯部、廃材処理や諸経費を含む総額に、メーカーの改定率をそのまま掛けてはいけません。
比較するときは、塗料のメーカー・製品名、使用する下塗りと上塗り、施工面積、数量、工事条件をそろえます。安い代替塗料を勧められたら、価格だけでなく、既存外壁への適合、仕上がり、手入れ、保証がどう変わるか確認してください。
待つか進めるかは外壁の状態で分ける
見た目の色変更が主目的で、点検上急ぎの補修がなければ、複数案を比較しながら工程を調整できます。一方、雨漏り、剥がれ、下地の劣化などが疑われる場合は、将来の価格予測だけで放置せず、まず状態を調べてもらいます。補修を先に行い、塗装を別時期にする案が成り立つかも相談できます。
工事会社には「今必要な補修」「塗装と同時にする作業」「先送り可能な意匠変更」を分けて説明してもらいます。費用を抑えるためでも、必要な下地処理や製品指定の工程を削らないことが大切です。
発表の追加確認で見る項目
対象塗料、改定率の幅、適用される出荷日、既存注文の扱い、送料などの別料金を確認します。出荷を基準とする発表では、注文済みでも対象になる場合があります。販売店には、自分の現場へ納入する製品の価格と確保状況を確認します。
メーカーの受注制限があった商品でも、現在の取扱いは商品ごとに確認が必要です。過去の不足・値上げ報道から、すべての塗料が買えない、価格が必ず下がるなどと判断しないでください。この記事の改定日を工事日や発表日と混同しないよう整理しておきましょう。
よくある疑問
水性なら値上げを避けられますか?
今回の発表では水性塗料も対象です。さらに塗料は下地や必要性能への適合で選ぶ必要があり、価格だけで溶剤系から替えられるとは限りません。
メーカーの出荷制限があれば、工事はできませんか?
過去の案内だけで現在の品番別在庫・納期を決めつけることはできません。施工会社へ材料の確保状況と工程を確認します。
いつ価格が戻りますか?
今回確認した発表からは、元の価格へ戻る時期を断定できません。原材料の動き、供給、販売価格、工事費を分けて確認しましょう。
見積もりの詳細は外壁塗装の見積チェック、建材全体の判断はナフサ不足と工事計画、依頼先は会社選びで整理できます。


