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【北九州市】住宅耐震化促進事業|上限90万円の対象と申請

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【北九州市】住宅耐震化促進事業|上限90万円の対象と申請

この制度をひとことで言うと

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北九州市の 住宅耐震化促進事業 は、1981年(昭和56年)5月以前の旧耐震基準で建てられた木造戸建住宅の所有者に対して、市が 耐震診断の費用負担と、耐震改修工事費の一部補助 を行う、市独自の住まい支援制度です。リフォーム補助金ナビDBに登録されている本制度(id=83)は、上限額 90万円、締切は 2027年3月31日(年度ごとの予算枠あり)、対象工事区分は「耐震」となっています。

「リフォーム補助金ナビ」では全国の耐震系制度を比較してきましたが、北九州市の特徴は 「耐震診断は実質的に市が費用を負担し、改修工事費も別枠で補助される二段構え」 という点です。たとえば同じ福岡県内でも、福岡市・久留米市・大牟田市などは「診断補助」と「改修補助」がそれぞれ別申請になっているケースが多く、自治体ごとに金額・上限・対象範囲が大きく異なります。本記事では、その違いを踏まえつつ「北九州市にお住まいの方が、自宅でこの制度を使えるかどうか」を3分で判断できる形に整理します。

🏠 読者へのお願い

補助金は予算枠と年度更新があり、要件が見直されることがあります。本記事は2026年4月時点で当社DBに登録された情報をもとに執筆しています。実際の申請前には、必ず市の公式窓口(建築都市局 住宅計画課)でも確認してください。


まずは「自分が対象か」をチェック

耐震系の補助金で最初につまずきやすいのが「対象住宅の定義」です。北九州市の本事業で想定されている主な対象を、チェックリスト形式に整理しました。

対象になりやすい人のチェックリスト

確認項目 あなたの住まいは?
住宅が 北九州市内 にあるか □ はい / □ いいえ
着工が 1981年(昭和56年)5月31日以前 □ はい / □ いいえ
構造が 木造 (在来軸組工法)か □ はい / □ いいえ
用途が 専用住宅または店舗併用住宅 (住宅部分が過半)か □ はい / □ いいえ
階数が 3階建て以下 □ はい / □ いいえ
申請者が 当該住宅の所有者本人 (または同居の親族)か □ はい / □ いいえ
市税の滞納が ない □ はい / □ いいえ

「はい」が7つそろえば、本事業の対象になる可能性が高いと考えられます。1つでも「いいえ」がある場合は、市役所への事前相談をおすすめします。

対象になりにくいケース

逆に、以下に当てはまる住まいは 本事業の補助対象から外れる か、別の制度(マンション耐震・新耐震住宅向けリフォーム補助など)を検討すべきケースが多くなります。

  • 1981年6月以降に建てられた住宅:いわゆる「新耐震基準」の住宅は本事業の主たる対象外です。ただし2000年5月以前の木造住宅については「新耐震だが現行基準には満たない」可能性があり、別途「木造住宅耐震化推進事業(2000年基準向け)」の対象になる場合があります。
  • マンション・共同住宅:本事業は戸建中心の制度設計のため、共同住宅は別制度(マンション耐震診断助成等)が用意されていることが一般的です。
  • 店舗・事務所のみの建物:住宅部分の床面積が過半でない建物は対象外になりやすい点に注意です。
  • すでに解体予定の住宅:補助対象は「居住を継続する目的で耐震性能を上げる工事」が前提です。

いくらもらえるのか — ケース別試算

リフォーム補助金ナビDBに登録されている上限額は 90万円。ただし「90万円が必ず受け取れる」わけではなく、工事内容と評点(耐震性能)の改善度によって支給額が変わるのが一般的です。ここではモデルケースで「実際にどのくらい戻ってくるか」をイメージしやすく整理します。

試算ケース3パターン

ケース 住宅 工事内容 想定工事費 想定補助額 自己負担イメージ
A:壁の補強中心 木造2階建(築45年) 壁量補強・接合部金物 約180万円 上限近辺の90万円 約90万円
B:基礎+壁の総合改修 木造平屋(築50年) 基礎補強+壁補強+屋根軽量化 約280万円 上限90万円 約190万円
C:部分改修 木造2階建(築40年) 1階の耐震壁追加のみ 約90万円 工事費の一定割合 工事費から補助分を差引

💡 ナビ編集部のひとこと

「上限90万円」は 大きな金額のリフォームほど効きやすい 制度設計と読み取れます。逆に部分改修では工事費に対する補助率の影響が大きくなるため、「総合的に評点1.0以上を目指す改修」のほうが補助の使い勝手が良いケースが多いといえます。詳細な算定方式は年度や予算で変動するため、申請前に市の窓口で必ず確認してください。

「耐震診断」は別枠で支援される

北九州市の特徴は、改修補助に進む前段階の 耐震診断費用 についても市が支援する仕組みが整っていることです。一般的に木造戸建の耐震診断は10〜15万円程度かかりますが、市の制度を使うと自己負担を大幅に抑えられるよう設計されています。「まず自宅が本当に補強が必要なのか不安」という段階の方も、まずは診断から始めるのが合理的です。


申請の流れ — 5ステップ図解

申請手続きは 「診断 → 見積 → 申請 → 工事 → 報告」 の5段階で進むのが一般的です。順番を間違えると補助対象外になる項目(最大の落とし穴:交付決定前の着工)があるため、流れを必ず先に頭に入れてから動くのが鉄則です。

1
耐震診断の申込み
市の窓口に相談 → 派遣される診断士が現地調査 → 評点(1.0未満は要補強)を算出
2
耐震改修の見積取得
改修プランを作成し、施工業者から見積書を取得(複数社比較が望ましい)
3
市へ補助金交付申請
⚠️ ここが最重要:交付決定の通知を受け取る前に着工すると対象外になります
4
耐震改修工事の実施
交付決定通知を受け取ってから契約・着工 → 工事中の写真・記録を保存
5
完了報告 → 補助金振込
工事完了後に実績報告書・領収書・写真を提出 → 市の検査 → 補助金が指定口座に振込

特に ステップ3の「交付決定前着工」は耐震系補助金で最も多い失敗パターン です。「業者に急かされて契約してしまった」「見積後すぐ着工した」というケースは補助対象外になるため、必ず通知書を手元に置いてから契約してください。


他制度との併用は可能?

北九州市の住宅耐震化促進事業は、性質の異なる制度との併用が現実的な選択肢になります。「市の補助だけで足りるか」を判断するうえで、併用候補を頭に入れておくと総額がぐっと変わります。

併用の整理表

併用候補 種類 併用の可否(一般的傾向) 補足
国の所得税控除(耐震改修促進税制) 税控除 併用可となるケースが多い 工事費の一定割合を所得税から控除。確定申告で別途手続き
固定資産税の減額措置 税減額 併用可となるケースが多い 翌年度の固定資産税が一定期間減額(要市町村申告)
県の関連補助 補助金 制度設計次第 福岡県の制度との連動可否は年度ごとに要確認
同一工事への国交省系補助(同名目) 補助金 同一費目の二重取りは不可が原則 「補助対象経費」が重ならないよう振分けが必要
子育てグリーン住宅支援事業など 補助金 工事内容が異なれば併用余地あり 耐震は本事業、断熱・省エネは国の制度、というように分けるのが現実的

特に 税制優遇は「使い忘れ」が多い枠 です。耐震改修をした年は、所得税の確定申告と固定資産税の減額申告を忘れずに行ってください。詳細は補助金まとめでも全体像を整理しています。


ご自宅で使える補助金、診断してみませんか?

「うちは旧耐震?それとも新耐震基準?」「断熱改修と一緒にやったらどの制度が使える?」 — こうした疑問は、住まいの条件によって最適解が変わります。リフォーム補助金ナビでは、築年数・お住まいのエリア・工事の希望内容を入力するだけで、本制度を含む全国の補助金から 使える可能性が高い順 に診断結果を出せます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 「旧耐震」と「新耐震」の境目はいつですか?

建築基準法が改正された 1981年(昭和56年)6月1日 が境目です。建築確認申請がそれ以前に受理された住宅は「旧耐震基準」、それ以降は「新耐震基準」と呼ばれます。北九州市の本事業は、原則として旧耐震基準の木造戸建を主な対象としています。建築年が微妙な場合は、建築確認済証または検査済証 で「確認年月日」を確認してください。

Q2. 持ち家ではなく、親名義の実家を耐震改修したい場合は使えますか?

申請者は所有者本人が原則ですが、自治体によっては 「所有者の同意があれば同居家族や相続予定者も申請可」 とする運用があります。北九州市の場合は、親名義のままで子が改修費用を負担するケースなど、実態に応じて市の窓口に相談する形が現実的です。委任状や同意書の提出が求められることが多いので、診断申込み時点で相談しておくとスムーズです。

Q3. 評点1.0未満が補助対象とのことですが、評点とは何ですか?

「上部構造評点」と呼ばれる指標で、一般診断法では 1.0を境に「倒壊する可能性が低い/高い」を区分 します。0.7未満は「倒壊する可能性が高い」、0.7以上1.0未満は「倒壊する可能性がある」、1.0以上1.5未満は「一応倒壊しない」、1.5以上は「倒壊しない」と評価されるのが一般的です。本事業では、評点が1.0未満の住宅を1.0以上に引き上げる改修工事が中心的な補助対象になります。

Q4. 工期はどれくらいかかりますか?申請から補助金振込までの目安は?

工事規模にもよりますが、 耐震診断の申込みから補助金の振込まで、半年〜1年程度 をみておくのが現実的です。診断に1〜2か月、設計・見積・申請・交付決定で2〜3か月、工事に1〜3か月、実績報告から振込までさらに1〜2か月ほどかかるケースが多くなります。年度末(3月)は申請が集中しやすいため、確実に進めたい方は 夏〜秋の段階で診断申込みを始める のがおすすめです。

Q5. リフォームと一緒に耐震改修をやれば、ローン減税も使えますか?

耐震改修は 住宅ローン減税の対象工事 に含まれる場合があり、所得税控除と組み合わせて使える可能性があります。ただし「補助金で受け取った分は控除対象から差し引く」など細かなルールがあるため、税制優遇を最大化したい方は税理士または市の住宅相談窓口に確認することをおすすめします。

Q6. 提携できる施工業者はどう探せばいいですか?

耐震改修は構造に手を入れる工事のため、 「建築士事務所登録」と「耐震診断・改修の実績」がある業者 を選ぶのが鉄則です。市の窓口で診断士派遣を受けると、その流れで地元施工業者を紹介してもらえる場合もあります。複数社から相見積を取り、評点の改善計画と工事内訳を比較してから契約を進めてください。


同種制度との違い — 北九州市ならではのポイント

リフォーム補助金ナビDBに登録されている全国の耐震系補助金(約350件)と比較したとき、北九州市の本事業には以下の特色があります。

  1. 診断と改修が連動した二段構え:診断で評点を出し、その診断結果がそのまま改修補助申請の根拠資料になる仕組みのため、書類の二重作成負担が比較的小さい設計です。
  2. 上限90万円は政令市の中では中位水準:政令指定都市では上限100万〜150万円の自治体もある一方、上限60万円台の自治体もあり、北九州市は中位ゾーンに位置します。「派手ではないが堅実に使える」枠として捉えるのが実態に近いといえます。
  3. 締切が2027年3月31日と中期目線:本記事執筆時点(2026年4月)で約1年弱の検討余地があり、診断 → 改修 → 申請のスケジュールが現実的に組み立てられる時間軸です。

まとめ — この制度を活かすための3つの行動

  1. 建築確認年月日を確認する:1981年5月以前であれば、対象になる可能性が高い
  2. 耐震診断から始める:自己負担が小さい段階で「自宅の評点」を可視化する
  3. 交付決定前に契約しない:補助対象外になる最大のNGパターンを必ず避ける

「自分の家がいくら戻るのか」「他制度と合わせていくらまで圧縮できるか」を具体に詰めたい方は、補助金診断から条件を入れていただくと、本制度を含めて最適な組み合わせが見えてきます。


参考・出典

  • 北九州市公式サイト
  • リフォーム補助金ナビDB登録情報(id=83、北九州市 住宅耐震化促進事業)
  • 国土交通省「住宅・建築物の耐震化の促進」関連資料
  • 国土交通省告示「木造住宅の耐震診断と補強方法」一般診断法

⚠️ 免責事項

本記事は2026年4月時点での公開情報および当社DB登録情報をもとに作成しています。補助金制度は年度・予算・社会情勢により内容が変更される場合があり、また個別事情によって対象可否や補助額が異なる可能性があります。実際の申請にあたっては、必ず北九州市の担当窓口または公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

━━ この記事の作成・監修 ━━

リフォーム補助金ナビ編集部

在籍資格者

ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)住宅ローンアドバイザー宅地建物取引士

国土交通省・各自治体の公式発表に基づき、補助金情報を毎日更新しています。
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